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『全領域異常解決室』何度も “おいしく” 楽しめる絶妙な脚本…藤原竜也の仕草ひとつにも新たな発見が

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.11.21 06:00 最終更新日:2024.11.21 06:00

『全領域異常解決室』何度も “おいしく” 楽しめる絶妙な脚本…藤原竜也の仕草ひとつにも新たな発見が

 

 

 11月20日(水)に放送された藤原竜也主演全領域異常解決室』(フジテレビ系)の第7話は、実質的にエピソードゼロとなるストーリーだ。

 

 第5話・第6話でかなり驚きの事実が明かされたが、第1話以前となる4カ月前までさかのぼった第7話も、負けじと驚愕の展開が目白押しだった。

 

 

■「全決」メンバーは全員「神」だった!

 

 第1話で警察官・雨野小夢(広瀬アリス)は突然、内閣官房直轄の機関「全領域異常解決室」、通称「全決(ゼンケツ)」に出向させられ、室長代理の興玉雅(藤原)とバディを組むところから物語はスタート。

 

「全決」は大和朝廷時代からある世界最古の捜査機関。超常現象といった非現実的な異常事件の捜査をする組織で、興玉と天野のコンビが神、妖怪、UMA(ユーマ)など非現実的な存在の関与が疑われるオカルト的な事件を、次々と解決していく。

 

 物語が急転したのは第5話。敵対する謎の神「ヒルコ」ではないかと疑われていた神出鬼没の女(福本莉子)が、「全決」の仲間だったことが明かされる。

 

 続く第6話では、なんと「全決」メンバーは全員が「神」だという斜め上すぎる事実が発覚。

 

 主人公・興玉は悪意と善意を見定める能力を持つ神「興玉神」(おきたまのかみ)、神出鬼没の女は水を自在に操る能力を持つ神「豊玉毘売命」(とよたまびめのみこと)といった具合だ。第6話ラストでは、天野も自分が縁結びの能力を持つ神「天宇受売命」(あめのうずめのみこと)だと気づく展開だった。

 

■新人で下っ端かと思われていた天野だが

 

 第7話では、4カ月前まで時間がさかのぼり、天野が「全決」の室長として組織を引っ張っていたものの、神である記憶を失ってしまうまでの事件が描かれた。

 

 さらっと天野が室長だと触れたが、第6話までは「全決」のド新人で一番の下っ端かと思われていた天野が、実は興玉の上司で組織のトップだったわけだ。

 

 脚本としても広瀬アリスの演技としても秀逸だったのが、仲間の神がヒルコによって消されてしまった直後、「全決」メンバーの前で天野が放ったセリフ。

 

「興玉っ、報告!」

 

 この一言で、部下だと思われれていた天野が本当は興玉の上司だったということや、毅然とした振る舞いで「全決」を引っ張るリーダーだったことなどが、一瞬でわかるのである。そんな短いセリフで、室長・天野のキャラや「全決」内の関係性がすっと理解できるというお見事なワンシーンだった。

 

■『カイジ』のときと比べて格段にお上品

 

 ほかにも、第5話までラスボスかとも思われた豊玉が、天野から結婚相談されるほど仲よしの親友だったことや、興玉と大昔に恋愛関係だったことなど、なんだか人間くさい神同士の関係性が描かれ、ほっこりするシーンも多数。

 

 天野と興玉が2人で居酒屋に訪れたシーンはとくに印象的だ。

 

 まず、興玉がぐびぐびっとビールを美味しそうに飲み、「はぁ~」と至福の吐息を漏らす。藤原竜也と言えば、主演映画『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)で、「ありがてぇ~、キンッキンに冷えてやがる」「うんめぇ~! 悪魔的だ、美味すぎるぅ」とクセ強の演技でビールを飲むシーンが有名だろう。

 

 今回の興玉はカイジと比べてだいぶお上品にビールを堪能しているので、さすが神様といったところ。比較するとおもしろい。

 

 一方の天野は、ビールの美味さに感嘆し、「ビール作った人間、マジ神だわ」と絶賛。もちろん冗談だろうが、本物の神様が人間を「マジ神」と称えるシーンはクスクス笑える。

 

■第1話から観返すごとに印象が変わる

 

 本作のすごいところは、ストーリーが進んでから前半のエピソードを観返すと、印象がガラリと変わっているところ。

 

 豊玉は凄惨な事件現場で淡々とスイーツを食べ、場に似つかわしくない陽気な表情や発言が目立ったため、エキセントリックでかなり不気味な存在に思えていた。けれど、第5話で仲間だとわかったあとに第1話から観返すと、ただ天真爛漫で陽キャなだけだったことがわかる。

 

 さらに、第7話の4カ月前のエピソードを観た後だと、もう一段階印象が変化。

 

 第1話から観返すと、興玉が天野に向ける意味深なまなざしや、言葉に妙な間があるのは、尊敬する室長を想っての態度だったとわかる。また、豊玉がたびたび天野の前に現れて怪しげな行動をとっていたのは、親友に神としての記憶を取り戻してほしかったのだろうとわかる。

 

 ストーリーが進み、新たな情報が提示されるごとに観返すと、何度も “おいしく” 楽しめる絶妙な脚本となっているのである。

 

 さて、第7話でヒルコは神ではなく、正体は人間ではないかという仮説も出てきているが、第6話でヒルコが人魚の肉による不老不死を手に入れたがっていたことからも、「ヒルコ=人間」説の信憑性は高いかもしれない。第8話ではどんな新事実が明かされるか、楽しみに待ちたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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