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『イカ天』ブーム牽引した「Norma Jean」35年ぶり復活ライブに密着!「音楽に向かう真剣さ、何も変わってなかった」メンバーが語る思い

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記事投稿日:2025.07.30 14:00 最終更新日:2025.07.30 15:32
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
『イカ天』ブーム牽引した「Norma Jean」35年ぶり復活ライブに密着!「音楽に向かう真剣さ、何も変わってなかった」メンバーが語る思い

アンコールの声に応え、再び「Norma Jean」メンバーがステージに登場。MARIは、ピンクのドクロ帽子をかぶって現れた

 

 2025年7月25日、35年ぶりに伝説のガールズバンド「Norma Jean(ノーマ・ジーン)」が都内のライブハウスで、一夜限りの再結成を果たした。チケットはソールドアウト。かつて1990年代のバンドブームに夢中になったであろうミドルエイジのファンが大集結し、開演30分前から会場は熱気で包まれていた。

 

 スクリーンに映し出されるのは、懐かしい当時の映像。観客は拍手でリズムを刻み、メンバーの登場を心待ちにする。空気中の酸素が薄くなっていくような、期待と興奮が入り混じった空間が広がった。

 

「Norma Jean」は、1989年『三宅裕司のいかすバンド天国』(TBS系)に出演し、11代目イカ天キングに輝いた5人組ガールズバンド。4週連続勝ち抜きを果たし、番組の看板バンドのひとつとして『イカ天』ブームを牽引した。活動期間中にシングル5枚、アルバム2枚をリリースし、その後はそれぞれが音楽活動を続けていた。

 

 2023年4月、本誌の特集「伝説の“イカ天バンド”に会いたい!」では、山田ROGER(Ba)とダイナマイトMARI(Vo)がインタビューに応じ、再結成についてこう語っていた。

 

「再結成? 可能性は0%ではないけど……。何かきっかけがあれば、ね」(MARI)

 

 それぞれがソロ活動や別のバンド活動、そして結婚・出産など人生の節目を経ながらも、35年間、音楽と向き合い続けてきた彼女たち。1990年代に生み出した奇跡のような楽曲たちを、いま再びファンの前で鳴らそうと決意したのは、ちょうど1年ほど前のことだった。きっかけをROGERが語ってくれた。

 

 

「2024年、メンバーが集まって食事をした際、気持ちやタイミングがぴったり合ったと感じたのが、再び音を一緒に出すきっかけになりました。その後、リハーサルを始めたところ、『SHOW-YA』のみなさんが聞きつけて、『最近、一緒に音を出してるんでしょ? じゃあ、『NAONのYAON 2025』に出てよ!』と声をかけてくれました。その流れが、今回のワンマンライブ開催へとつながりました」

 

「Norma Jean」は、ただのロックンロールバンドではない。繊細で複雑なアレンジが最大の特徴でもあり、経験やノリだけで演奏できる曲は皆無に等しい。

 

「30数年間、さわっていなかった楽曲たちをバンドで演奏するためには再構築が必要で、ROGERを中心に、みんなでチャレンジしました。たくさんの当時の思い出がよみがえりました。歳月がたって、みんな“大人”になっています(笑)」(MARI)

 

「当時は、自分たちなりに本当に一生懸命、音楽を作っていたんだなと感じました。それぞれが音楽に向かうときの真剣さは、なにも変わってなかった」(ROGER)

 

「いつかやりたい、やらなければいけないという思いはずっと以前からありましたね。今回はいよいよだと感じました」(Dr.沼倉優子)

 

「たいへんなことになったぞ! やりきれるのか、自分! って(笑)。メンバーそれぞれが時を経てアップデートされていて、ステキな仲間たちだったんだな、とあらためて思いました」(Key.くり坊)

 

 ライブのタイトルは、メンバーとファンの再会を意味する「Meet Again」。オープニングナンバーは『Hello! Everybody』。王道のロックンロールサウンドが会場を揺らす。パンチのあるMARIのボーカルが乗れば、あっという間に1990年代へとタイムスリップする。

 

「やっとこの日が来た! って感じ。みんな会いたかったです。本当に来てくれて、どうもありがとう。最後まで楽しんでってね!」(MARI)

 

 観客ひとりひとりを見つめるようにMARIが視線を飛ばす。自前のうちわを振る女性ファンも大きく手を振る。短いMCを挟んで始まった2曲めは、デビューシングル『Get a Chance!』。続けて『Let’s Make a Memory』『Top Secret』と、次々に繰り出されるホットなナンバーに、フロアのテンションは急上昇。

 

 ミディアムバラード『とんだ影ふみ』では一転、静寂が包む。くり坊のピアノとオルガン、そしてROGERのメロディアスなベースラインが楽曲を美しく彩った。

 

 セットチェンジでアコースティック構成に切り替わる。

 

「20歳のころに、1960年代、70年代のサイケなものにあこがれて書いた曲があるんですね。2ndアルバムに収録されている『フラッシュ・バックのBaby Blues』。MARIちゃんがぴったりの歌詞をつけてくれました。ヒッピーかぶれの私が書いた曲を聴いてください」(ROGER)

 

 MCでも、変わらぬ“Norma Jean節”が炸裂する。

 

「『Norma Jean』って、マリリン・モンローの本名なんですけど、知らない人が多くて。当時、『ノーマージン?』『大魔神?』とか、すっごいいろんなインタビューのたびに言われて、ずっと説明してて。もっと簡単なものにしたらよかったと、ちょっと後悔してたんですけど。でも、いい名前だよね? え、ユウキ(優子)、知らなかったの?」(MARI)

 

 まさかの展開に、会場内は笑いに包まれた。

 

「夢を追いかけていたころに書いた」(MARI)という『TO THE MOON』、トロピカルな『バカンス』、ミステリアスな『月影蝶々』、そして5thシングル『シャボンと彼女』へと続く。

 

「次の曲は、私たちが当時、女子バレーのテーマソングをやったんですけど(テレビ朝日系『ワールドトップ4バレー』オープニングテーマ)。試合のハーフタイムで演奏しまして。すごく楽しかった思い出があります。代々木体育館?」(MARI)

 

「それがね、正直言って覚えてない(笑)。MARIちゃんがそう言ってたから、知ってるフリしたけど、ごめん、覚えてない。1個覚えてるのは、35年前、『NAONのYAON』のときに、やった曲ですよ」(ROGER)

 

「あーそうなの? そんな気がしてきた」(MARI)

 

 そんなやりとりさえも、35年という歳月の重みを感じさせる、ほほえましい一幕だった。ファン待望のヒットナンバー『Tomorrow』『I feel Good』で会場の熱気はピークに。手拍子と歓声が響き渡るなか、コール&レスポンスで盛り上がり、ラストは極太のハードロック『90’s Gun』で本編をしめくくった。

 

 アンコールの声に応え、再びメンバーがステージに登場。MARIは、ピンクのドクロ帽子を被って現れる。

 

「頭が成長してなくて、まだ入るのよ。今日はみんなの前でかぶったらわかるかなーと思って」(MARI)

 

「それ、いつの帽子なの?」(ROGER)

 

「歳月って恐ろしいね」(MARI)

 

 その帽子は、1stアルバムのジャケットに登場したもの。ファンはすぐに気づいていたが、まさかメンバーが忘れているとは――。会場は再び笑いに包まれた。そしてアンコールでは、『Centerfold』、『Bombers Go Go』を披露。

 

「どうもありがとう! 次、50年後、会いましょう!」(MARI)

 

 全15曲、約2時間にわたる“奇跡の夜”。その余韻は、ファンの心にいつまでも残り続けることだろう。

 

カメラ・木村哲夫

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