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志磨遼平の「JR中央線愛」忌野清志郎に自分を重ねてヒモ生活

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.22 16:00 最終更新日:2019.07.22 16:00

志磨遼平の「JR中央線愛」忌野清志郎に自分を重ねてヒモ生活

 

 ガード下を何駅も歩いたり、安居酒屋で潰れたり……。JR中央線にそんな思い出を持つ人は、世代を問わず多い。2019年は、新宿~八王子間の開業130周年。愛する中央線への思いを、人気音楽ユニット「ドレスコーズ」の志磨遼平(37)に、街を歩きながら聞いた。

 

「駅の柱にまでバンドのステッカーが貼ってあって、本屋さんやレコード屋さんには、珍しい作品がなんでも売っている。夢のような場所でした」

 

 

 デヴィッド・ボウイやマーク・ボランのような、ロックスターの王道を歩む志磨。19歳で上京して初めて住んだのが、これもまた王道、高円寺の風呂なし4畳半だった。

 

「いえ、僕は『中央線文化』を知らずに出てきたんですよ。すごくベタなことをしてしまったことに気づいて、大好きだった友部正人さんや三上寛さんの曲を聴くのを、自分に禁じました。4畳半で『URC』なんて、いかにも酔っているみたいで」

 

 URCとは、「アングラ・レコード・クラブ」のこと。友部や三上に加え、「はっぴぃえんど」も所属していたレーベルである。

 

 高円寺で志磨は、古本屋に通い、レンタルビデオを借り、バイト先に選んだのは中古レコード店「ヨーロピアンパパ」。高円寺時代に、膨大な音楽と活字のシャワーを浴びた。

 

「『西荻夫婦』のような、ハイソで安定した生活への憧れもありつつ(笑)、『美代子阿佐ヶ谷気分』(安部慎一著、ワイズ出版)や、1980年代の高円寺を舞台にした『あるまいとせんめんき』(しらいしあい、集英社)のような、不安定な同棲生活に共感していました」

 

 心地よい高円寺での生活だったが、中野での暮らしを経て、25歳で中央線を離れた。

 

「そのおかげなのか、引っ越してすぐレコードデビューできました(笑)。よくも悪くも、反面教師がたくさんいましたよ」

 

 いまではURCも愛聴盤だ。

 

「中央線を歌った歌は、その後も峯田和伸さんやandymoriに受け継がれているのでは。中央線が持つ磁場なのでしょうね」

 

 以下では志磨の音楽に影響を与えてきた、中央線にまつわる楽曲と書籍を紹介する。

 

【志磨遼平を作った、中央線「名盤6&名著7」】


《名盤》
●『一本道』友部正人
「中央線ソング、といえば真っ先に浮かぶのがこの曲ですね。友部さんの歌詞は現代詩みたいで、僕もずいぶん影響を受けました。自分でも『C列車でいこう』という中央線をテーマにした曲を作りましたが、まったくかないませんね(笑)」(志磨、以下同)

 

※アルバム『にんじん』(1973年、現在はavex io)に収録


●『高円寺』よしだたくろう
「小さいころに親が聴いていたこの曲で、『高円寺』という町の名前を覚えました。まさか自分がそこに住むことになるとは、そのころは思ってもいませんでしたが……。アレンジが斬新で、いま聴いてもカッコいい曲ですね」

 

※アルバム『元気です。』(1972年、CBSソニー)に収録


●『佳代』GOING STEADY
 大河ドラマ『いだてん』にも出演する峯田和伸が率いたバンドには、高円寺にまつわる曲が多い。『佳代』には、高円寺純情商店街が。

 

「僕より少し下の世代からは、『この曲に憧れて高円寺に住んだ』という話をよく聞きますね」

 

※アルバム『さくらの唄』(2001年、Libra Records)に収録


●『いい事ばかりはありゃしない』RCサクセション
「不遇だったころの清志郎に、自分を投影して聴いてました。たまに日雇いに出るくらいで、あとはヒモみたいな生活をしていた当時の自分には、まさにピッタリだったんです(笑)。歌詞には新宿から吉祥寺、国立まで、中央線の各駅が登場します」

 

※アルバム『PLEASE』(1980年、現行版はユニバーサルミュージックジャパン)に収録


●『Are You ra?』ゆらゆら帝国
 当初は国分寺を拠点に、中央線で活動したサイケバンドが、ゆらゆら帝国。

 

「僕が上京したころの中央線には、初期のゆらゆら帝国に影響を受けたバンドマンが、山ほど住んでましたね(笑)。僕もそのうちのひとりでした。でもどんどん音楽性が高度になっていって、最終的には誰も真似できなくなりました」

 

※『Are You ra?』(1996年、CAPTAIN TRIP RECORDS)/中古盤のみで入手可


●『オレンジトレイン』andymori
 2007年デビュー、2014年の武道館公演で解散したグループ。

 

「僕がやっていた毛皮のマリーズやandymoriは、2000年代の中央線のイメージの一端を担っていたかもしれません」

 

※アルバム『ファンファーレと熱狂』(2010年、Youth Records)に収録

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