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55年に幕「小田急百貨店本館」の元エレベーターガールが明かす“恋愛攻防戦”…本命カレと本命以外で「お迎え場所」を使い分け

ライフ・マネー 投稿日:2022.10.05 15:24FLASH編集部

55年に幕「小田急百貨店本館」の元エレベーターガールが明かす“恋愛攻防戦”…本命カレと本命以外で「お迎え場所」を使い分け

10月2日で営業終了した小田急百貨店新宿店本館。百貨店営業は新宿西口ハルクに移して、再開した(写真・時事通信)

 

 10月2日、新宿駅西口で1967年に開業した「小田急百貨店新宿店本館」(以下、本館)が営業を終了した。

 

 隣の別館「新宿西口ハルク」に売り場を移転し、10月4日から営業をおこなっているが、本館の建物は55年の歴史に幕を閉じた。今後、解体工事が始まり、跡地には2029年度中に48階建ての高層ビルが立つ予定になっている。

 

 

 高度経済成長期の真っ只中に開業した本館は、新宿駅西口の「顔」だった。百貨店ならではの“華やかな接客”はもちろんで、小田急百貨店にも2020年の夏まで「エレベーターガール」がいた。

 

 バブル時代の1990年から6年間、本館のエレベーターガールとして勤務していた、杉本郁美さん(仮名・49)はこう明かす。

 

「JR新宿駅の中央西口改札前に、百貨店とレストランフロアへの直通エレベーターホールがあり、各機にエレベーターガールが常駐してお客様をご案内していました。百貨店以外を利用するお客様をご案内することも多く、東京都庁など、西口エリア全体の建物やルートについて、知っておかなければならず大変でした」

 

 当時のエレベーターガールや百貨店の受付には“保安員”の役割もあった。災害時などでは、避難誘導の最前線に立つことになるので、その責任は見た目の華やかさとは違い、大きかったという。

 

 とはいえ、本館の来店客は、駅構内のエレベーターホールを利用することもあり、エレベーターガールは、まぎれもなく“小田急の華”だった。

 

「自分で言うのは恥ずかしいのですが、当時『エレベーターガールは顔採用』といわれていました。『お帳場(外商担当者がつく客)』のお客様が来店するときは、ご案内のためにエレベーター前でお待ちすることもありました。

 

 また、男性のお客様からご名刺をいただいたり、名前や連絡先を聞かれることは日常茶飯事でしたね。もちろん、個別にご対応させていただくのは禁止でしたが、みんな隠れて受け取っていましたよ」

 

 当時、本館の従業員入り口は、隣接する京王百貨店との間にある南口エリアへ通じる通路(現在の新宿ミロードのモザイク通り)の中ほどにあったという。

 

「仕事後にカレに迎えに来てもらうとき、“本命”なら西口広場の地下にあるタクシー乗り場周辺に、“本命以外”は南口の甲州街道沿いに停めてもらうという、使い分けをしていました(笑)。

 

 当時は20代のうちに結婚して、退職するのが当たり前でした。エレベーター前で知り合った男性と結婚することが多かったと思いますね。やはり、お帳場のお客様のご子息に嫁ぐのがいちばんのステータスでしたが、私が知っている人は数えるほどでしたね」

 

 郁美さんにとって、小田急百貨店新宿店本館は“青春の地”でもあったようだ。

( SmartFLASH )

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