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「性と健康」と向き合い続けた“90歳超え”産婦人科医夫婦…今でも一緒にお風呂に入るのが習慣【長生き医師の養生訓】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.05 06:00 最終更新日:2023.02.05 06:53
人生の達人たちの健康の源は「驚異の好奇心」!90歳を超えても元気すぎる医師たちに、意外すぎる“養生訓”を聞いた。
「私は雅子よりも年下ですが、医師としては先輩なんです。私が勤めていた東大附属病院の産婦人科に、雅子が入局してきてね。正規の女性医師は初めてで、注目される存在でした」(堀口貞夫医師)
夫を見つめて、堀口雅子医師はこう語る。
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「当時は女性医師の働く場が限られていて、私も一度は薬剤師の道に進みました。同期に女性は3人いたけど、私だけ年が離れていたから、モテませんでしたよ(笑)。夫と同じ医局でも、私は子宮筋腫などの病気が専門の婦人科医で、夫は産科医。当初はお互いに意識することはなく、結婚したのは1968年、私はもう38歳でした」
当時、“姉さん女房”は珍しかった。雅子医師は、39歳と42歳のときに出産した。
「私は結婚してからも働き続けたかったから、夫が理解のある人か見極めるため、結婚後も3カ月は避妊をしていたほどです。今の時代でも高齢出産だけど、夫が専門医だったから安心して産むことができましたよ」(雅子医師)
貞夫医師も妻を支えた。
「子供ができてからはずっと、朝食作りは私の担当。朝からニンニクも気にせず入れます。フレンチトーストやタジン鍋など、新しいメニューを試すのも、実験のようで楽しいんです」(貞夫医師)
「私が夜更かしだからね」と、雅子医師は笑うが、夫には本当に感謝しているという。
現在は、病院での診療は月に数回ほどだが、ネット上で、健康から性の悩みまで答えている。貞夫医師が述懐する。
「昔は、患者さんからの相談といえば、不妊の悩みがほとんどでした。それが、愛育病院の院長を務めていた30年ほど前から、セックスの悩みを持ちかけてくるケースが増えてきました」(貞夫医師)
取材中も仲の良さを見せてくれた2人。
「うちは、一緒にお風呂に入るのが長年の習慣になっているのよね」(雅子医師)
「最初は、お風呂のお湯が冷めないように、節約のためだったんです(笑)。でも、自分じゃ手が届かないから、お互いの背中を流し合うことがいいコミュニケーションになってるし、お互い相手の体調が悪いとすぐに気づくこともできますから」(貞夫医師)
年を取ると、心身ともに感覚が鈍くなる。だからこそ、ふれ合うことが大切だという。
「そう再認識したのが、夫婦で出かけた海外旅行。まわりの高齢カップルは、みんな手を繋いでいるんですね。そこで、我々も…久しぶりに手を繋いでみると、なんともよかったんです(笑)」(貞夫医師)
写真撮影でポーズを頼むと、雅子医師はにっこりと、貞夫医師は少し照れくさそうに、体を近づけてくれた。
堀口雅子医師
1930年生まれ 東京薬科大学、群馬大学医学部卒業。虎の門病院産婦人科医長を長く務め、現在は主婦会館(東京)で十代の悩み相談会を主宰
堀口貞夫医師
1933年生まれ 東京医科歯科大学医学部卒業。三楽病院、都立築地産院などを経て、元愛育病院院長。2019年まで主婦会館クリニック所長
取材&文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)