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京大・宮沢孝幸氏 ウイルス学の専門家は「ワクチン接種3回以上はデメリットが大きい」【さらばコロナ禍・専門家を直撃!】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.11 06:00 最終更新日:2023.05.11 06:00
京都大学医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏は、新型コロナ感染拡大初期から、独特のレトリックで、ウイルスへの警戒を呼びかけていた。2020年3月28日には、フェイスブックへの投稿をもとに、こうツイートをした。
《酒を飲んだら、会話するだろ。大声になるだろ。それが危険なことわからんやつは、とっとと感染しちまえ。一ヶ月会社休んで回復したら、みんなの代わりに仕事しろ。ただ、爺ちゃんばあちゃんの前には治るまで絶対でるな》
リツイートは、1万件を超えた。その「未知のウイルス」出現から3年――。
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「新型コロナの基本再生産数(免疫がない場合、ひとりの感染者が平均して何人に感染させるかを表わす指標)は2~3でした。季節性インフルエンザも2ぐらい。麻疹の基本再生産数は12~18で、免疫がなければ、すぐ学級閉鎖になるレベル。よって新型コロナはずっと低い。いま思えば、地方都市でひとり出たくらいで大騒ぎしてましたよね」
宮沢氏は、2020年に春・夏の高校野球が中止に追い込まれたのを「行きすぎだった」とする。
「2020年6月に、新宿・歌舞伎町のホストクラブの調査をしました。ほとんどのホストは、無症状か37度台のごく軽症でした。通い詰めている女性のお客さんにも、発症者はいませんでした。京都産業大学の4年生4人が欧州への卒業旅行から戻り、ゼミやサークルの祝賀会に参加して、クラスターを発生させたことがあったでしょう。なんで学長が謝らんといかんのか、よくもまあ理不尽なことばかり続いたもんです」
そこで宮沢氏は、「100分の1作戦」を提唱。それは、感染門戸(目・鼻・口)に到達するウイルス量を、感染に必要な量の100分の1にする作戦だ。細胞は、何百何千の数のウイルスに曝露されない限り、感染することはない。この作戦には全国の人が共鳴した。
「3回めのワクチンを接種した後に、コロナにかかる人が多かったですね。厚労省が2022年夏に出したデータでも、ワクチン接種から時間が経つと、2回ワクチンを接種した人のほうが、未接種の人よりむしろ感染しやすくなっていました。ワクチンの感染予防効果が低い証拠です。接種後の副反応もきつい。はっきりいって、今回のコロナワクチンは、もともと企画倒れです。百歩譲って、接種は2回までが賢明。3回以上はデメリットのほうが大きいと考えます。多くの人にとっては、ワクチンは不要でした」
みやざわたかゆき
1964年生まれ 専門はウイルス学、進化学。1993年、東京大学大学院で博士号(獣医学)を取得。2005年より京都大学ウイルス研究所(現医生物学研究所)に着任
文・鈴木隆祐