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「悪性リンパ腫ステージ4」笠井信輔氏(61)を救った「がん保険」4カ月前に入ったばかりで「100万円もらっちゃった」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.02 06:00 最終更新日:2024.06.02 06:00

「悪性リンパ腫ステージ4」笠井信輔氏(61)を救った「がん保険」4カ月前に入ったばかりで「100万円もらっちゃった」

いまはフリーアナとしての活動を軌道に乗せた笠井氏(写真・久保貴弘)

 

 各界の有名人に聞いた、入っていてよかった「がん保険」。病気お金の問題を、赤裸々に語ってもらった!

 

『とくダネ!』などで活躍した笠井信輔氏は、2019年9月付で32年半勤めたフジテレビを退社。フリーアナウンサーの道を選んだ。

 

 だが、同年の12月に悪性リンパ腫に罹患したことを公表した。最初に不安に思ったのは、やはりお金のことだ。

 

「僕がかかったのは、『びまん性大細胞型B細胞リンパ腫』というものでした。『がん』という名前がつかない、けっこうやっかいながんですね」

 

 

 笠井氏は当時、3つの保険に入っていた。ひとつは、入社2年めに先輩アナにすすめられて入ったもの。もうひとつは、つき合いで入った保険。そしてフリーになる4カ月前に、念のために入った、掛け捨ての安い保険だ。

 

「最初に入った保険は、バブルのころですから、死んだらいくらもらえるか、がいちばんだったんですよね。“俺の命の価値”みたいなね(笑)。月々3、4万円は払っていたんじゃないかなあ。当時はフジテレビもけっこう給料がよかったし、独身だったんでね。なんというのかな、社会人の嗜(たしな)みという感じでした」

 

 だが、結婚後は3人の息子に恵まれ、途中で見直した。

 

「とてもじゃないけどお金が回らなくなってきて。それで保険の組み替えをして、一気に自分の保険料を下げたんです。いろんな特約も外しましたね。でも、お願いしていた保険会社の方が、『がん保険は外さないほうがいい』と。この方には、後でお礼の電話をしました(笑)」

 

 悪性リンパ腫は、通院で抗がん剤治療をする人も多いがんだが、笠井氏はステージ4で、長期入院は確定だった。

 

「6回の抗がん剤で、入院は最低4カ月、場合によっては半年から1年かかるかもしれないと。フジテレビのような大企業なら、健康保険組合の傷病手当金で半年くらい入院しても、基本給の6、7割はいただける。でも、2カ月前に会社を辞めていた僕には、何もないわけです」

 

 フリーアナとしての収入はゼロだった笠井氏は、入院にあたり、大部屋を希望した。

 

「都内の大きな病院だったんですけど、反対に個室をすすめられましてね。ステージ4という進行具合に加え、メディアに出ていて顔バレをしていること。そして、自分は入院したらSNSで毎日、発信をすると決めていたことで、病院側から要望があったんです。特別室でもなんでもない、普通の個室でしたが、1日3万円でした。結果的に4カ月半入院したので、消費税などを考えると、400万円以上になりました」

 

 そのときに痛感したのが、保険に加入していたことのありがたみだった。

 

「日本は、高額療養費制度で支払いの上限が国によって保護されていて、一般的な家庭なら、月に6、7万円以上はどんなに治療費がかかっても、払わなくていい。それは事実なんです。ただ、この制度は前年の収入を参考にするので、僕は収入ゼロなのに、上限が月30万円くらいになっていたんです」

 

 それに加えて、個室料金ものしかかってくるはずだった。

 

「それが、僕の入っていた保険では、ありがたいことに入院ベッド代が支払われたんです。いまの主流は、がんになったら100万円、それに1日に1万円から1万5000円の入院費が、50日くらい支払われるものです。僕の場合は140日くらいがカバーでき、4カ月半の入院費用が賄えました。そんな保険に3つ入っていたので、100万円×3で計300万円が支払われたんです。結果的にがんになって、収支がプラスになりました」

 

 保険が下りたことをなによりも喜んだのは家族だった。

 

「家族にがんを告白したとき、三男は『僕の学費はどうなるの?』って言ったんです。『お父さんはどうなるの?』じゃなくてね(笑)。『家族は第2の患者』と言われるように、がんは家族にとっても大きなストレスとなるんです」

 

 入院してから、自分で各保険会社に電話した笠井氏のもとに、同日に3社から支払う旨の連絡が来た。

 

「妻に言ったら、『本当にありがとう』と、僕に頭を下げたんですよ。結婚30年で、妻が僕にそんなことしたのは十数年ぶりだったんじゃないかな(笑)。子どもたちもお祭り騒ぎで、こっちはまだ入院して1カ月で、『治ったわけじゃないんだから』と思いつつ、家族はそんなにお金のことを心配してるんだな、と気づいたんです」

 

 そして、笠井氏はこう強調した。

 

「医療保険って、自分のために入っていると思ってたんですよ。違いましたね。家族のために入るものなんです。一方で、子どもがいなかったり、一人暮らしだったりしても、いまは年間60万人ががんから生還する時代です。かりにこの記事の読者が50代なら、ほぼ乗り越えられるのがいまの医学なんです」

 

 医療保険は、掛け捨てだとかなり安い。笠井氏が最後に加入した保険も、保険料は月に数千円だった。

 

「僕がラッキーだったのは、がんがわかる4カ月前に入ったんです。この保険は、加入して3カ月たつと保険金が出るんですよ。だから、僕は4カ月ぶんしか払っていないのに、100万円もらっちゃったんですよ」

 

 男性の3人に2人が、がんになる時代。がん保険は“当せん確率3分の2の宝くじ”と言っても過言ではないのだ。

( 週刊FLASH 2024年6月11日号 )

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