《紫艶のトリセツ。とりあえず、なだ万弁当を与えるべし。》
2019年2月19日、ブログにこう記した歌手の紫艶さん(享年41)は、翌月11日に自宅で亡くなっているのを発見された。
「紫艶さんは2016年の不倫報道の後は絶望の日々を送り、不幸な孤独死を遂げたというイメージで語られることが多いように思います。しかし、彼女は最晩年のブログでも、こんなユーモア交じりの記述を残していたのです」
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『バズる「死にたい」』(小学館新書)の近著がある古田雄介氏は、ネット上の病気や突然死、自殺などで亡くなった人たちの記述を収集してきた。
一例は、2002年に糖尿病による失明や両足切断の末に孤独死した男性のホームページ「落下星の部屋」。悪化する病状や、心身の変化を事細かに書き残している。
「失明したときは、ビールを飲みながらナイター中継を観ていてそのことに気づくんです。そこに悲壮感はありません。死後も読者が絶えず、現在も閲覧することができます」
病院で透析を受けた日の男性のブログには、こう書かれている。
《夕食の買い出しの途中で、いつもと違う道を通ってみたら 手作りバン&ケーキ屋さんを見つけてしまった。(^_^;)無意識のまま、ついフラフラっと店に入ってエクレアとアップルパイを・・・。おいしかったぁ~♪》
飯島愛さん(享年36)のブログ(現在は削除)の最後の書き込みに死後7万件のコメントがついたように、故人のサイトは“墓”としての意味を持つ。
「最後は絶望して自殺したり、恨みを書いて病死したりしても、そこに至るまでの思いや読者との交流を読むと、ステレオタイプな『惨めな孤独死』なんてないことがわかるんです。それは、故人にとっても救いになるはずです」