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浴室で亡くなっていた中山美穂さん…医師が指摘する「ヒートショック」の可能性「年齢問わず危険」薬剤の使用や生活習慣病も影響
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.07 12:59 最終更新日:2024.12.07 12:59
12月6日、歌手で女優の中山美穂さんが、渋谷区の自宅で亡くなっていたことがわかった。54歳だった。
「各社報道によると、中山さんが仕事に姿を見せず、関係者が自宅へ向かったところ、浴槽のなかで、座った状態で倒れていたそうです。遺書や、事件性を疑わせる外傷については確認されておらず、警視庁は、浴室に入った際に急激な温度変化により体に悪影響をもたらす『ヒートショック』の可能性も視野に入れて、捜査をすすめているとのことです」(社会部記者)
そもそも「ヒートショック」とは何なのか。五良会クリニック白金高輪理事長、五藤良将医師が解説する。
「ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく上下することが原因となり、心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などを引き起こす現象です。とくに入浴時に起きると、急激な血圧低下により意識障害を引き起こし、最悪の場合は溺死するケースもあります。
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このような事故は冬場に多発します。12月から1月にかけては、屋外と室内の温度差が大きくなるため、リスクが高まるのです。過去10年のデータを見ても、入浴中の心肺停止は8月がもっとも少なく、12月から1月にはその10倍以上に上るほど多くなっています」
中山さんが今回、ヒートショックで意識を失った可能性は十分あるという。
「もちろん、中山さんの健康状態について詳細が公表されていないので、断定はできません。ただ、ヒートショックは体の弱い高齢者だけでなく、年齢を問わず起こり得る、危険なものです。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っていたり、喫煙や過度な飲酒、睡眠薬や抗不安薬の服用をしていた場合、起こりやすくなります。とくに薬剤の使用は、意識の低下や反応能力の鈍化を招くため、入浴時に事故が起きやすくなります」(五藤医師・以下同)
では、どうやってヒートショックを防げばいいのか。
「まず、浴室や脱衣所を暖めておくことが重要です。暖房器具を活用して、室内外の温度差を少なくすることで、血圧の急激な変化を防ぐことができます。また、湯温は41℃以下に設定し、入浴時間を10〜15分以内に抑えることで、体への負担を軽減できます。
さらに、浴槽への出入りや立ち上がる際は、急激な動作を避け、ゆっくりとした動きを心がけましょう。また、睡眠薬や抗不安薬を服用している場合は、家族の見守りを依頼するか、入浴を控えることをおすすめします。同居する家族がいる場合は、入浴前後に声をかけ合う習慣をつけることで、万が一の事態に素早く対応できます。ヒートショックは年齢に関係なく、誰にでも起こり得るものだと考え、気をつけていただきたいと思います」
取材/文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)
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