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定年後のお金はどうする?「50歳モデルケース」を診断(1)
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.11 06:00 最終更新日:2018.10.11 06:00
人生100年時代を生き抜くには、アラフィフのいまからなら起死回生の逆転満塁弾が打てる。それには、まずはランナー(お金)を貯める作戦が必要だ。
いったい、どうすればお金は貯まるのか。50歳モデルケースを診断してみよう。
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【会社員Tさんの場合】
Tさん(50歳)、妻(39歳)、長男(12歳)+猫2匹
年収700万円(妻は現在専業主婦だが、いずれパートなどを考えている)
●家
40歳でマンション購入。35年ローン残債(現在で3300万円)あり
→これから教育費増などを考えれば繰り上げ返済は厳しい
→ローン支払い終了は2043年3月の75歳。変動金利1.175%(月の支払い12万5000円)。60歳時残債1800万円。駅近の都内で、利便性はいい3LDK80m²
●教育費
長男は定年と同時に就職
→学費はほぼなし(と思いたい)が、これから10年は相当必要。これからの学費対策として一応、学資保険には加入済み
●資産
現在は投資信託で500万円運用+60歳満期の個人年金500万円。プラス、将来のことが不安になり、つみたてNISAを月3万円+変額保険を月2万円で始めた。
もちろん、60歳定年後も再雇用などで仕事はする予定だが、希望しても65歳まで。企業年金だけでは当然不安
●車
最近、無駄と考え、こだわってきた車を手放し、カーシェアリングに切り替えたが、そんなに不便はない。月5万円=駐車場代2.4万円+保険とガソリン1.0万円、車検と税金1.5万円くらいの節約分をつみたてNISAなどにまわした
●気がかり
→家の修繕&リフォーム(マンションなので風呂など水回りは最低限必要)と、定年後も住宅ローン残債が多いこと。さらに遠い実家の両親の今後。もし、これで介護が始まったら……。
【診断】固定費を断捨離すべし
「車を手放して月々5万円を浮かせ、つみたてNISAにまわしたのはいいこと。保険や通信費など、毎月かかる固定費を一度見直せば、必ず家計に絞れる部分が出てきます。そこで浮いたお金を次のキャッシュにつなげる。
TさんにはiDeCoをやっていただきたい。拠出が60歳までなので10年しかないですが、iDeCoはお金を出すとき、運用するとき、受け取るとき、すべてに税制優遇があるので、普通に運用するよりも効き目があります」とファイナンシャルプランナー横山光昭氏は言う。
つみたてNISAは年間40万円まで、20年間、運用益が非課税になる。ここで気になるのが住宅ローンの残債だ。
「まだお子さんが12歳で、これから教育費がかかると考えると、キャッシュは確保しておきたい。住宅ローンは借金だからといって、100万円単位で貯まったら返すを繰り返していると、いざというときの現金がなくなり、お子さんの大学進学費用など、後半のライフプランが問題になる。
つみたてNISAなどの投資でキャッシュを作り、合わせて家計を絞って貯蓄を増やしていきたい。それをもとに計画的に繰り上げ返済をして、定年時に残債が現状の1800万円のまま残るのは避けるべきでしょう」
ただ、「いまの住宅ローンは超低金利なので、それを上回る投資は十分可能。繰り上げ返済優先ではなく、運用にまわすべき」と主張する専門家がいることも確かだ。どちらを選ぶかは、Tさん次第だ。
横山氏は、支出を管理して強い家計を作った後は、次のようなアドバイスを送る。
「最低でも使うための預金と、下ろさない預金を持ってください。前者は月の生活費の1.5カ月分、後者が6カ月分。これは生活防衛費です。
月の生活費が30万円なら、 7.5カ月分で225万円。ここがきちんと出来上がってから、増やす預金にお金を持っていく。いざというときのお金も確保しておけば、腰を据えて投資ができます」
(週刊FLASH 2018年9月11日号)