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給食は逆格差社会「地方の上級食」「都会のどケチ食」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.23 06:00 最終更新日:2019.12.23 06:00
12月7日、8日におこなわれた「全国学校給食甲子園」は、兵庫県「丹波篠山市立西部学校給食センター」が10回めの挑戦で初優勝した。冒頭の写真が、その「日本一の給食」だ。
「日々の献立でも、地元産食材を優先して取り入れるようにしています。3週間前に注文をかけて、在庫を確かめるんです。
地元の特産物を使う場合は、市から補助金が出ます。予算に余裕はないですが、地場の新鮮な食材を使い、工夫をしながら給食を作っています」(栄養教諭の田端廣美さん)
2018年の養父市に続き、兵庫県勢が2年連続で優勝。「給食に特産物や郷土食を取り入れる」姿勢が、成果をもたらした。ちなみに、丹波篠山市で保護者が支払う給食費の月額は、小学校が4200円で、2018年の全国平均4343円よりも安い。
一方、上の写真は、愛知県名古屋市の2019年度の小学校の給食。偶然にも給食甲子園と同時期に、ネットで「質素すぎる……」と騒然となった。
「家庭の負担を考え、2009年度から給食費を月額3800円で据え置き、政令指定都市のなかでも最低額を維持してきました。その間、消費者物価指数も上昇。人件費、原材料費も高騰し、さすがに限界がきてしまいました。
昨年から、『なごやめし』献立を市の負担で年数回提供するなど工夫しましたが、今後も予算がつくか不透明です。来年度からは、600円の値上げをお願いしたので、えびフライなど、子供たちに人気のおかずが戻ってきます」(市教委学校保健課)
月額4400円で、「健康で文化的な給食」へ巻き返しなるか。
写真・全国学校給食甲子園HPより転載(丹波篠山市立西部学校給食センター)、名古屋市教育委員会
(週刊FLASH 2019年12月31日号)