クロスバイクに乗りはじめてすぐ、ヘルメットが必要なことに気づいた。路面と頭部との距離が近く、スピードも出る。
車道の路側帯や路肩を走れば、自動車がギョッとするほどすぐ横を追い越していくこともたびたびだ。ノーヘル頭部の無防備さに気づき、ひやっとする。
逆に自分がドライバーだったら、「そこのチャリ、たのむからせめてヘルメットを……」ということも当然思うだろう。
これはもう、オートバイにヘルメットが必須なのと同じレベルで必須だ、と思い、さっそくネットで購入。
「OGKKabuto」のサイクリングヘルメット。5000円ぐらい。「初めてヘルメットを使う方でも気軽に使える」と書いてあり、それオレだ、と思って決めた。
自転車用ヘルメットのレビューを読むと「転倒したことがありますが、ヘルメットのおかげで助かりました」という人を何人か見かけ、背中を押された。レビューとして正しく機能している。
降りた時などかさばるし、ちょっと面倒だが、すぐに慣れた。空気が通りぬけやすくできているため、帽子より涼しく快適なくらいだ。
自転車ヘルメット先輩である小2には「なにこれお父さんの? カッコいい」といわれたが、カッコよさなどどうでもよく、「自分の乗車技術など、自分は絶対信じない」という思いでかぶっている。
困ったのは「日よけ」である。日差しが目に入れば、当然まぶしい。
多少は日よけが期待できるMTB用のバイザーつきヘルメットもあったのだが、ついてないのを買ってしまった。
ロードバイク用ヘルメットの人は通常サングラスを使うわけだが、メガネをかけているし、サングラスのためだけにコンタクトレンズにするのもめんどうだ。
かつてスキー用に買った、メガネにクリップでとめる偏光レンズや、メガネの上からかけるオーバーサングラスをひっぱり出して使ってみたが、なんだかごつくて重い。なにしろ十数年前に買ったものである。
同メーカーの「ビットバイザー」という、ヘルメット用の帽子のツバを買ってみた。1170円。キャップのツバのようにたのもしい大きさではないが、ないよりはマシである。
マシではあるが、やはり目に日差しが入りやすく、「これは紫外線対策になってないな……」と思うことも多い。
けっきょく「SWANS」のクリップオンサングラス(2005円)と、かなり値引きされていたメーカーもよくわからないオーバーグラス(988円)を購入。
どちらも昔のスキー用とは違い、格段に軽い。メガネの上からかけるオーバーグラスは、かけ心地はいいが、やや暗すぎた。
クリップオンのほうは明るいレンズを選んだのでノンストレス。これ当たり。
なにかと出費がかさむが、いろいろ使って、くたびれはじめた頭や目を守らなければならない。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 『伝染るんです。』『ぷりぷり県』『まんが親』『おかゆネコ』など著作多数。「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』、「ビッグコミックスピリッツ」にて『忍風!肉とめし』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん
※本誌連載では、毎週SmartFLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2018年1月30日号)