「最近、30年暮らした所から引っ越しました」
2月末から放送されている東京ガスの新CMで、俳優の安田顕(48)とコミカルなやり取りをしているのは黒柳徹子(88)だ。オンエアに合わせて公開されたインタビューで、黒柳はそう明かしている。
黒柳は、港区にある通称“トットちゃん御殿”と呼ばれる洋館風の建物に、長年住んできたことが知られている。1986年に母・朝さんのために建てたという豪邸だ。1997年にレストランの経営会社に売却するも、黒柳らはそのまま居住。母親は2006年に95歳で他界し、2019年には所有権がコンサルティング会社に渡ったが、昨年6月、その邸宅が22億円もの金額で売りに出された。
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年が明けた3月、若いファミリー層から人気の高い、都心からやや離れた新興住宅街の高級タワーマンションの39階に黒柳が部屋を購入したことを、「女性セブン」が報じた。同じフロアには、事実上の後見人であるビーズ刺繍家・田川啓二氏(63)の弟分も居住しているという。
ところが、あるキー局関係者は首をかしげる。
「黒柳さんは現在、都心のあるテレビ局の近隣に住んでいると聞いています。週5回放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に加え、他番組の収録もあるので、各テレビ局へのアクセスのよさは必須なのでしょう」
本誌は、黒柳が当該の都心部のマンションから仕事へ向かい、帰宅する様子を複数回確認した。
ところで、黒柳といえば大の“不動産好き”として知られている。実際、港区や中央区を中心に数多くの物件を保有してきた。それだけに、黒柳が現在住んでいるマンションも、さぞ高額の分譲物件であることは想像に難くないが……。
「いや、黒柳さんが住んでいるあのマンションは、全戸賃貸の物件ですよ。大手ディベロッパーが管理しています。特徴は、貸主側からも期間満了で契約を終了させられる定期借家制度を採用していること。また、契約更新に際しては、定期的に入居者の審査があり、セキュリティも厳重です。そのため、収入が安定しない駆け出しの芸能人では、住むのは難しいでしょう。その意味で、本当のセレブだけしか借りることができないマンションなんです」(不動産関係者)
ちなみに月の家賃は約30万円〜80万円と、定期借家制度のおかげで芸能人が住むにしては極端に高い物件というわけではない。
それにしてもなぜ、黒柳は賃貸マンションに生活の場を移したのか。
「黒柳さんは最近になって『生活をコンパクトにしたい』と話していました。2017年には港区に持っていたマンション2戸を売却しましたし、翌年には『黒柳徹子記念財団』を立ち上げています。節税という意識もあるのでしょう」(キー局関係者)
かねてから「終活はしない」と公言し、2019年5月には「婦人公論」で「100歳になったら政治記者をやってみたい」と語るなど、生涯現役をモットーとしている黒柳。昨年7月からは「徹子の気まぐれTV」でユーチューバーデビューし、これまでに約60本の動画をアップするなど、精力的に活動している。しかし、分譲タワマンよりも賃貸マンションを選んだその身の振り方は、ついに“終活”を意識するようになったかとも思える。
芸能ジャーナリストの平田昇二氏が分析する。
「公私ともに親交の深かった森光子さん、メリー喜多川さんらが亡くなり、ご本人も大腿骨を骨折されたりするなかで、今後についていろいろ思うところがあったのでしょう。賃貸であれば、いざということになった際、残された方たちの負担が減ると考えたのだと思います」
テレビ黎明期から第一線で活躍してきた黒柳は、タレント以外にも作家や女優、平和運動家など、さまざまな顔を持つ。東京のど真ん中の“徹子の部屋”の窓際で、彼女は一人、何を見据えているのだろうかーー。