「ショッキングというより不快ですよ。皇室の御紋であり、国会議員のバッジや天台宗(皇室から出家される方の宗派)の紋など、国家に関わるところでようやく使用される紋ですからね。それだけ遠慮申し上げているのを中国でならいいのかということになる」
尖閣上陸だけではない!中国の無法がまた明らかになった。強い口調で憤るのは、沖縄県議や石垣市議などからなる「尖閣諸島を守る会」の顧問を務める参議院議員の片山さつき氏だ。
中国の杭州で本誌が見つけた日本料理店「稲菊」の看板の写真を見て、不快感を示したのだ。なんとこの店の看板の紋章は、天皇家を表す「菊の御紋」にそっくりなのである。 もちろん、商標法第4条では国旗や勲章などとともに菊花紋章の商標登録は禁じられている。
しかし、中国の弁護士事務所によると「店名や菊の図柄は商標登録されていないわけがない」という。
「菊の御紋」が中国で勝手に商標登録されているようなのだ。 日本の特許庁に問い合わせると「(日本では)特定の方の独占的使用になじまない図柄であるということで商標登録できないことになっているが、中国で登録されていたら、中国では使えないということです」と外国のことはお手上げ状態。
中国国内で「菊の御紋」が実効支配されてしまったのか。
「中国の知的財産権侵害は枚挙に暇がない。日中の懸案事項の最大なものの一つといっていい。そういえばこの『稲菊』も、日本の高級日本料理店『稲ぎく』のパクリじゃないかしら。外国人の接待でよく使う店だけど」(片山氏)
千代田区の「稲ぎく」本店に問い合わせると「稲菊」のことを知っていた。
「名前を無断使用し、登録しようとしているので抗議書を送りつけているんですが、まったくなしのつぶて。中国ではこんなこと日常茶飯事ですよ」
8月15日、中国の活動家7人が尖閣諸島の魚釣島に上陸。総勢14人が逮捕されたが、容疑は不法上陸・入国のみで、17日に強制送還された。中国を恐れるあまりの弱腰外交に批判の声が上がっている。
「稲菊」の件について外務省に尋ねたが「民間のことなので、特段のコメントは差し控える」と逃げの一手だった。
「外務省はなんとも思わないんでしょうか。尖閣諸島も菊の御紋も根は同じ問題。外交の要諦として、国家の威信を守るという発想が彼らにはないんですね。菊の御紋はいわば我が国の象徴です。その象徴の御印を真似たものをいかがわしい料理屋が使っていること自体がおかしいと思いますよ」(片山氏)
中国に尖閣諸島と「菊の御紋」を“実効支配”されないために、毅然とした対応が求められている。
(週刊FLASH 2012年9月4日号)