「これから、次の時代に入っていかなければなりません」
28年ぶりに新人だけで争う石川県知事選挙。2月24日の告示日に前衆議院議員の馳浩氏(60)はこう宣言した。
「5候補が出馬した今回の知事選は、馳氏と “自民分裂” で出馬した前参議院議員の山田修路氏、前金沢市長の山野之義氏の3候補が大接戦となっています。開票当日まで結果は読めません」(地元紙記者)
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馳氏の “猛攻” はすさまじい。
「皆さんこんにちは! 安倍晋三でございます」
3月4日に金沢市の繁華街に姿を見せた安倍晋三元首相(67)をはじめ、菅義偉前首相(73)、小泉進次郎前環境相(40)ら “自民党応援団” に加えて、プロレスラーの棚橋弘至(45)も応援に駆けつけた。
ただ、地元有権者は話す。
「馳さんの応援はたしかに豪華だけど、石川っぽくないねぇ」
どういうことかーー。前出の地元紙記者が解説する。
「古い習わしに思われるかもしれませんが、石川では候補の妻が “頭を下げる” というのが一般的です。今回も山野氏は妻・祐子さんをはじめ、長男、長女も一緒に活動。山田氏も妻・玲子さんがSNSを開設し、積極的に協力しています」
一方、タレントの高見恭子(63)を妻に持つ馳氏だが、告示日に隣にいたのは、娘の鈴音さん(24)だけだった。
白いベンチコートの上からでも、母親譲りのスラッとした体形が窺える。告示日には金沢市内のホテルで「娘と語る会」という演説会も開催。翌日も能登半島のつけ根にある羽咋市などを一緒にまわり、娘は父の応援に励んでいた。
妻が来ないというのが “次の時代” の選挙戦なのだろうか。2月25日に馳氏本人に「妻の不在」について尋ねた。
ーーFLASHです。高見さんは応援に来ないのですか?
「あ、今回は……今回は入ることはありません」
ーー娘さんだけですか。
「そうですね。はい」
少しバツが悪そうに答えた。
これまで、高見がまったく政治に関わらなかったわけではない。2013年と、馳氏が文科相だった2016年には夫婦揃って「桜を見る会」に招待され、参加。自民党関係者はこう語る。
「今回、表向きには『仕事の関係で奥さんが選挙に来られない』としているけど、来てくれないんだよ。2人はいわば “仮面夫婦” だからね……」
馳氏に近いレスリング関係者によると「最初に出馬した1995年の参院選などには高見さんも応援に来ていた」という。
「東京の自宅では一緒に暮らしているけど、ここ10年ほど夫婦関係は “冷戦” 状態。馳くんからは『妻が家のことをやってくれない』と聞いた」
しかし、高見の知人女性が「夫婦関係が悪くなった原因は、馳さんがあまりに “保守的” な人だから。結婚当初から生活全般に細かい “指導” が入って、都会育ちの彼女には耐えられなかったのよ」と話すように、互いの “言いぶん” は真っ向から食い違うようだ。
選挙戦が中盤に突入した3月上旬、都内の自宅を訪ねるとふだんどおりの高見の姿が。
ーーFLASHです。
「何か?」
ーーご主人の選挙に関わらないのはなぜですか?
「……」
高見は質問に答えず、静かに笑って玄関の扉を閉めた。
後日、あらためて、馳氏の選挙事務所に「夫婦関係」と「高見が今回の選挙に来ないこと」について見解を尋ねたが、締切りまでに回答はなかった。
前出の自民党関係者は「当選したら、さすがに石川に移り住まないと。そのときはどうするのか……」と話す。
地元紙が発行する雑誌「月刊北國アクタス3月号」の娘が受けたインタビュー記事内で、馳氏は「家族からプレゼントされたもので、いちばん嬉しかったものは?」というアンケートにこう答えていた。
「妻が買ってくれた、ずっと長持ちしている黒革の財布」
こんな “告白” ができるなら、いまからでも妻に手伝いをお願いすべきでは……。知事選の “一歩リード” も夢じゃないはずだ。