3月23日の籠池氏の証人喚問を受け、昭恵夫人は100万円の寄付について否定。その際、次の2点に言及した。
(1)籠池氏の証言によれば、自分は(寄付の受け渡しのときに)秘書に席を外すよう言ったというが、講演の際にそのようなことはおこなわない。
(2)講演の控室として「園長室」を使用したと籠池氏は言うが、控室だったのは「玉座の間」で、事実と異なる。
しかしこの2点について、籠池氏は「事実と異なるのは昭恵夫人のほう」と明言する。
「まず1点め。私と昭恵夫人が控室(園長室)で懇談している際、秘書の方々は始終、部屋の外に出て電話していました。複数の職員が、それを目撃しています。私が言いたいのは、寄付の受け渡しは私と昭恵夫人、2人きりだったときにおこなわれたということです」
籠池氏によれば、寄付の受け渡しがあったとされる平成27年9月5日、昭恵夫人は講演のため、午前9時半ごろ塚本幼稚園に到着。籠池氏が出迎え、控室(園長室)に通した。その後、妻である副園長が部屋に入ったがすぐに退室。室内が籠池氏と昭恵夫人だけだった時間は、十分にあったという。
そして2点め、籠池氏は「玉座の間は控室ではなかった」と断言する。
「あの日、私が先導して昭恵夫人をご案内し、3階まで階段で上がっていただきました。階段を上がりきると講堂があり、その先にある園長室に入っていただきました。昭恵夫人には正面にある椅子にお座りいただき、私は入口から見て左側に腰かけました」
控室となったのは園長室で、そこで寄付金の受け渡しがあったと籠池氏は主張する。昭恵夫人の言う「玉座の間」は別に存在し、今回、本誌はその内部を撮影した。園長室と比べると、椅子やテーブルが違うことは明らかだ。
安倍政権にとって、籠池氏が目障りな存在であることは間違いない。菅義偉官房長官は3月28日、籠池氏を偽証罪で告発する可能性について言及。これに呼応するかのように大阪地検特捜部は、籠池氏に出されていた補助金適正化法違反の告発状を受理した。大阪府は、立ち入り調査の結果次第では籠池氏を刑事告訴する方針だ。
包囲網の狭まる籠池氏に心境を聞いた。
「検察が告発を受理したと聞いたときは、驚きました。しかし今回の騒動のもっとも重要なポイントは、財務省と大阪府のやり取り。そこをほったらかしにして、私に罪をなすりつけようとするのは納得できません。ただで捕まるわけにはいきませんよ。安倍総理は『認可や払い下げに関わっていたならば、首相も議員も辞める』とおっしゃった。一心同体である昭恵夫人が関与していたことを、どうお考えなのか」
(週刊FLASH 2017年4月18日号)