社会・政治社会・政治

「人生狂わされた」明徳義塾監督の暴力支配を生徒が告発!うさぎ跳び等1000回で両足骨折、失神しても平手打ち

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.07 06:00 最終更新日:2022.06.07 06:00

「人生狂わされた」明徳義塾監督の暴力支配を生徒が告発!うさぎ跳び等1000回で両足骨折、失神しても平手打ち

道場の隅で、別メニューを課されるAくん。休みは半年に1回ほどで、「病院に行くのはサボリ」という風潮だった(矢印による説明は編集部が追記)

 

「僕は全国大会に出場した経験があり、体力には自信がありました。しかし明徳に転校して、大石監督に人生を狂わされました」

 

 決死の面持ちで証言するのは、2020年に明徳義塾中学(高知県)に編入したAくんだ。

 

 3歳で空手を始め、他県の強豪校の有力選手だったAくんが明徳義塾に編入したのは、全国大会の優勝経験のある同校に、コロナ禍でも練習に打ち込める環境を求めたためだ。

 

 

 しかし、明徳義塾空手道部の大石宗伯(おおいし・むねのり)監督(50)の指導は、Aくんが想像だにしないものだった。

 

「入部した初日から、うさぎ跳びとバービージャンプ(立った状態からしゃがんで腕立て伏せの姿勢をとり、再び立ち上がる際にジャンプをする運動)を約1000回やらされたのです。

 

 練習後に両足に激痛が走り、監督には練習を休みたいと何度も伝えましたが、『気合が足りんからだ』と言うのみでした」

 

 大石監督は明徳義塾中、高を経て駒澤大学に進学。会社員を経て、1996年に24歳で母校の空手道部監督に就任した。

 

「大石監督の父親は、全日本選手権や世界大会で計9回の優勝歴がある武士さんです。宗伯さんに選手としての実績はありませんが、明徳の師範である父親の推薦もあり、監督になれたのです」(明徳義塾関係者)

 

 Aくんは病院に行くことを許されず、次の日からも練習に参加した。

 

「明徳は中高一貫で、空手道部は中1から高3まで全員が同じメニューで練習します。

 

 練習中、大石監督は “気合が入っていない” と、些細なことで怒り、連帯責任での “罰ゲーム” を課すのです」

 

“罰ゲーム” のバービージャンプやうさぎ跳びは50回1セット。脱落者が出るたびにやり直しをさせられたという。

 

「足の腫れや痛みは悪化していくのに、連日 “罰ゲーム” をやらされました。ついに歩けなくなって、骨折を疑いました。

 

 見かねた先輩が『監督に報告せず、病院に行け』と言ってくれました」

 

 Aくんが医師の診断を受けたのは、入部から13日後。両足の腓骨(膝から足首までの細い骨)が骨折しており、1カ月の歩行制限の指示を受けた。

 

「大石監督は、さも初めて知ったかのような表情でした。しかし、その後も道場の隅で上半身の筋トレを課されました。

 

 監督からは労りの言葉もなく無視されつづけ、本当に惨めな気持ちになりました」

 

「格闘メディカル協会」の金村良治医師は、明徳義塾空手道部の練習の実態に驚愕する。

 

「体格差のある中学生と高校生の練習メニューが同じであることは杜撰すぎますし、うさぎ跳びが膝や腓骨(ひこつ)に悪影響を及ぼすことは常識です。

 

 もし、Aくんが病院に行くのがあと少しでも遅れていたら、神経障害などが残った可能性があります」

 

 前出の明徳義塾関係者は、着任当時の大石監督についてこう証言する。

 

「当時は、直接的な暴力はありませんでした。女子部員をロープで数珠繋ぎにし、大石監督が運転する原付バイクで引っ張り、延々と走らせているのを見たことがあります」

 

 Aくんの母親が憤る。

 

「大石監督はふだんから寮で寝泊まりし、飲酒や喫煙をしていました。夜中に酔った大石監督から電話があり、『息子さんのような勉強ができるタイプは好きではない』と言われたことがあります」

 

 昨年、Aくんは大石監督から3度、暴行を受けている。

 

「禁じられていたスマホを持っていた、寮の布団が片付いていなかった、目を逸らしたという理由で、思いきり平手打ちをされました。一度は失神してしまい、僕の意識が戻ったところで、もう一発、平手が飛んできました。

 

 大石監督は男女を問わず、生徒を竹刀や木のへらで叩いていました。僕ら部員は暴力で洗脳されたようになって、監督の体罰を外部に告発することができませんでした」

 

 学校の体罰やいじめ問題に詳しい名古屋大学の内田良教授(教育社会学)が語る。

 

「今の時代に、度を超えたうさぎ跳びを課すことは、あまりに旧態依然で明らかに体罰といえます。平手打ちは言うまでもありません。体罰がまかり通るのは、好成績を残すと校内で権力を持ってしまい、学校も知名度アップや経営上のメリットから、指導者に依存してしまうためです」

 

 明徳義塾に大石監督の “罰ゲーム” と平手打ちについて問い合わせると、「生徒と御社との関係を把握しておらず、どう回答していいのかわかりかねる」と、質問状の受け取り自体を拒否した。

 

 現在、日本空手協会の首席師範補佐である大石監督の父・武士氏は、こう語った。

 

「うさぎ跳びを1000回ですか。いくらなんでもそんなにやらせないでしょう。私は何も聞いていません。(宗伯氏には)暴力ではなく、口で指導しろと話しています」

 

 Aくんは2022年4月、一度は明徳義塾高校に進学したが、一週間で登校拒否状態になり、同月末で退学した。

 

「大石監督からいつ暴行を受けるかと、寮ではずっと怯えていました。監督からは、一度も直接の謝罪はありません」

 

( 週刊FLASH 2022年6月21日号 )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る