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岸田首相、国連総会出席も「外交アピール」不完全燃焼か…国葬と日程かぶりで “途中退席” のトホホ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.14 06:00 最終更新日:2022.09.14 06:00
9月13日、岸田文雄首相は、20日から26日まで開かれる第77回国連総会に出席することを表明した。
国連総会はコロナ禍でオンライン実施が続き、今回は3年ぶりの “対面外交” の場となる。開幕から約1週間、各国の首脳が集まって一般討論演説をおこなう「ハイレベルウイーク」となり、岸田首相も演説する予定だ。
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同時に、アメリカのバイデン大統領や韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領らとの首脳会談も調整している模様だ。
岸田首相としては外交の大舞台で手腕をアピールしたいところだが、国内に目を向ければ、27日の安倍元首相の国葬が日程的に国連総会とバッティングしてしまう。
これには、自民党内からも疑問の声が漏れる。
「国葬に間に合うのかね。葬儀が始まる27日14時に間に合うように帰国するしかないんだけど、国連総会を途中で退席することになる。それで外国の要人ときちんと話すことができるのか。
外務省からは総理秘書官が官邸に入っているわけで、岸田首相が27日に国葬をやると宣言したときに、『総理ちょっとお待ちください、この日は国連総会がありますよ』と指摘していないのか。
国連総会なんて毎年開かれていて日程もだいぶ前からわかっているわけだから、事務的な凡ミスかもしれない。外務省はボケているんじゃないか」(自民党関係者)
政治評論家の伊藤惇夫氏も首を傾げる。
「首相は、外務省の秘書官から国連総会の話を聞いているはずなんです。
仮に首相に伝えていなかったとすれば、ひとつ考えられるのは、安倍・菅政権時代は官僚が政治家の決定に異を唱えると途端に左遷されましたから、物が言えなくなっているのかもしれません。
いずれにせよ、国葬は岸田首相が言い出しっぺで、普段はなかなか決断しないのにこれだけは突然決断したわけですから、なんとしても帰国を間に合わせはするでしょう」
国連総会とはどのような場なのか。伊藤氏が続ける。
「各国首脳が集まる『ハイレベルウイーク』はいちばんの外交の場です。ですから、日本にとんぼ返りすると、会談の約束も満足にできないでしょう。
国葬に関して『弔問外交』という言葉がよく出てきますが、だいたい海外からの賓客は葬儀が終わればすぐに帰ります。そこで2国間で物事が決まるとか、外交が大きく展開するなんてあり得ない。
国連総会のほうが、首脳たちが会う場が作り出されるわけですし、まさに国際外交の舞台です。そもそも『弔問外交』なんて、国葬じゃなくて『内閣・自民党合同葬』でも十分できたわけです。
おまけにバイデン大統領もマクロン仏大統領もトランプ元大統領も来ない。小渕恵三元首相や中曽根康弘元首相の合同葬のときより出席者の格が落ちますよね。国葬ありきで判断したのがすべての間違いの原点。
安倍元首相が選挙中に凶弾に倒れたのは事実ですが、それがどうして国葬と結びつくのかさっぱり理解できない。すべてを国葬ありきで進めたからどんどんおかしくなった」
葬儀はどのような形なら妥当だったのか。
「『内閣・自民党合同葬』なら問題なかったと思います。それは内閣と自民党が勝手にやる葬儀なので、無理に国民に弔意を示すことを要求しないわけですから。
過去に大きな実績を残した首相はたくさんいて、たとえば吉田茂元首相なら日本の独立回復、佐藤栄作元首相は沖縄返還、中曽根元首相は行政改革。つまり、いわゆる歴史に名を残した人は名前と一緒に実績が思い浮かぶんですよ。
でも、安倍元首相にそういうものがあるでしょうか。アベノミクスだって9年間も異次元金融緩和を続けて景気は全然回復していない。実質賃金なんて下がっています。だから評価が二分しているわけです。
安保法制も完全に国民の意見は割れていて、集団的自衛権なんて憲法解釈を閣議決定で勝手に変更してしまいました。安倍元首相に、誰も文句をつけられない実績があるのかどうか。
とはいえ、閣議決定した以上、国葬はやらざるを得ないですよね。ここでひよれば内閣は倒れますよ」
奇しくも英国のエリザベス女王の国葬が19日となり、現状、先進国で出席を表明しているのはカナダのトルドー首相のみ。国民も半分以上が反対だ。やはり国葬決定は、岸田首相の大きな判断ミスだったのかもしれない。
( SmartFLASH )