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岸田首相が統一教会に質問権行使を指示 ひろゆきは「ようやく前進!?」と評価の一方で感情に傾く意見を危惧する声も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.10.17 19:47 最終更新日:2022.10.17 20:04
10月17日、岸田文雄首相は衆院予算委員会で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題をめぐり、宗教法人法に基づく「質問権」を行使することを表明した。同法を所管する、永岡桂子文部科学相に指示したと明かした。調査が実際におこなわれた場合、結果次第では解散命令の請求が視野に入る。
首相は「宗教法人法に基づき質問権の行使に向けた手続きを進める必要があると考えており、文科相に速やかに着手させる」と述べた。
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旧統一教会の問題を巡っては、10月17日、霊感商法や高額献金などに関して話し合いをおこなってきた消費者庁の有識者検討会が、「解散命令請求を視野にいれ、報告徴収及び質問の権限を行使する必要がある」などとする提言を河野太郎消費者担当相に提出していた。
10月15日、岸田首相が旧統一教会の調査を検討していることが報じられると、SNSでは賛否両論が渦巻いた。
実業家のひろゆき氏は、10月16日、自身のTwitterに《ようやく、前進!?》と書き込んだ。一方で、前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏は、10月17日、自身のTwitterにこう疑問を呈した。
《解散の要件を満たしていると証明し、解散命令が下せるのか。できなければ、政府が教団を公認したことになる。また、宗教法人審議会などの手続きにも時間がかかる。内閣支持率低下に焦っての対応だが、効果は?》
たしかに、岸田内閣の支持率は続落の一途をたどっている。10月15、16日の両日に実施したANNの世論調査で、岸田内閣の支持率は33.1%と政権発足以来、最低を更新した。また、旧統一教会の宗教法人の資格取り消しについて、「取り消すべき」が56%、「取り消す必要はない」が23%だった。
岸田内閣はこれまで、解散命令請求について消極的な姿勢を示してきた。10月14日には「憲法の定める信教の自由の趣旨を踏まえれば、所管庁の関与は抑制的であるべきで、請求は十分慎重に判断すべきだと考える」とする答弁書を閣議決定している。
また、自民党の萩生田光一政調会長は10月2日のNHK番組で、宗教法人法に基づく教団への解散命令は困難との見方を示している。「司法の判断ということになる。所轄庁から解散を請求できるが、法令に違反し著しく公共の福祉を害すると認められる行為をした場合などと規定されている。難しい」と述べていた。
永岡文科相は17日の衆院予算委員会で、旧統一教会への調査について「来週25日火曜日にも検討を開始する」と述べたうえで、「政府としては、年内のできるだけ早いうちに権限が行使できるよう手続きを進める」との考えを示した。
ネット上では、調査に期限を設けない方針に対して、批判的する声も上がっている。
《「年内には調査を始めたい」と来たもんだよ。引き延ばしてウヤムヤにするのが見え見えじゃん? なんですぐに始めないんだ???》
《旧統一教会の調査を終わらせる目処さえ答えない岸田首相。やはり「質問権」も時間稼ぎのやってる感演出だけだった》
一方で、冷静に対処すべきという声も見られた。
《感情的には理解も同調もするが、国は感情では動けない》
宗教法人法が規定する「質問権」が行使されれば、初めてのケースとなる。問題行為を理由にした宗教法人への解散命令は、地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教と、霊視商法詐欺事件を起こした明覚寺(和歌山県)の2例しかない。問題に一歩、踏み込んだ岸田首相を待っているものはいかに。
( SmartFLASH )