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ガーシー氏“欠席批判”がブーメランになる“得票負け議員”37人の名前 懲罰に言及も「除名」には高いハードルが

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.10 18:46 最終更新日:2022.12.10 18:54

ガーシー氏“欠席批判”がブーメランになる“得票負け議員”37人の名前 懲罰に言及も「除名」には高いハードルが

国会欠席を続けているガーシー氏

 

 12月10日、参議院はNHK党ガーシー参議院議員(51)が欠席を続けているため、「どのような理由で召集に応じず、その後も登院せずに本会議・委員会を欠席しているのか」を問う質問状を、NHK党を通じてガーシー氏に提出した。

 

 7月10日に投開票された参議院選挙の比例代表で当選したガーシー氏だが、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在しており、当選以降、一度も国会に姿を見せていない。当選直後、7月29日の記者会見で、NHK党の立花孝志党首はガーシー氏が国会に「100%出てこない」と断言していた。

 

 

 姿を見せないだけでなく、所属していた参議院の「東日本大震災復興特別委員会」の委員も辞任。議員活動はまったくおこなっていない状態だ。一方で、議員報酬や、12月9日に支給された「冬のボーナス」314万円などは受け取っている。

 

 ボーナス支給の9日、参議院の立憲民主党幹部が「懲罰委員会の検討などを含めた段階に進む」との見通しを示していたが、懲罰委員会での「除名」は難しいとみられている。

 

「議員の懲罰について規定している日本国憲法第58条には『院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする』とあります。

 

 現憲法下で国会議員が除名されたのは2例のみ。最近は70年以上も例がありません。それほど除名のハードルは高いんです。それは、有権者の投票によって選ばれたという事実を否定することになりかねず、民主主義そのものの否定につながりかねないからです」(政治担当記者)

 

 いくら「欠席議員」といえども、選挙で当選した「民意」を無視することが出来ないというわけだ。実際にガーシー氏は、参院選の比例代表で28万7714票を得ている。NHK党の得票数に応じて、1議席を獲得したことで、NHK党内1位のガーシー氏が当選したわけだ。

 

「ガーシー氏は、当選前から国会に登院しないことを明言しており、そのうえで票を得たという経緯があります。登院しないことを理由に彼を除名した場合、彼よりも票という名の“民意”を得ていない議員たちに、矛先が向かう可能性もあるでしょう。

 

 参院選の比例代表はなおさらです。“組織内候補”が集まり、得票が固まることも多々ありますし、政党のおかげで当選できた、という議員も多い。

 

 ガーシー氏を批判すればするほど『じゃあ票が少ない議員たちはどうなんだ』と、ブーメランが返ってくることになりかねません」(前出・政治担当記者)

 

 前回の参院選で、約28万票というガーシー氏の得票を下回った比例選出議員は、以下に示すとおり、37人いる(特定枠を除く)。

 

●自民党 12人
足立敏之氏(当選2回) 24万7754票
自見英子氏(当選2回) 21万3369票
藤木眞也氏(当選2回) 18万7740票
山田 宏氏(当選2回) 17万5871票
友納理緒氏(当選1回) 17万4335票
山谷えり子(当選4回) 17万2640票
井上義行氏(当選4回) 16万5062票
進藤金日子氏(当選2回) 15万759票
今井絵理子氏(当選2回) 14万8630票
阿達雅志氏(当選3回) 13万8994票
神谷政幸氏(当選1回) 12万7188票
越智俊之氏(当選1回) 11万8710票

 

●日本維新の会 8人
石井 章氏(当選2回) 12万3279票
石井苗子氏(当選2回) 7万4118票
松野明美氏(当選1回) 5万5608票
中条きよし氏(当選1回) 4万7420票
猪瀬直樹氏(当選1回) 4万4211票
金子道仁氏(当選1回) 3万6944票
串田誠一氏(当選1回) 3万5842票
青島健太氏(当選1回) 3万3553票

 

●立憲民主党 6人
鬼木 誠氏(当選1回) 17万1619票
古賀千景氏(当選1回) 14万4344票
柴 慎一氏(当選1回) 12万7382票
村田享子氏(当選1回) 12万5340票
青木 愛氏(当選3回) 12万3742票
石橋通宏氏(当選3回) 11万1703票

 

●公明党 2人
熊野正士氏(当選2回) 26万9048票
上田 勇氏(当選6回) 26万8403票

 

●日本共産党 3人
田村智子氏(当選3回) 11万2132票
仁比聡平氏(当選2回) 3万6098票
岩渕 友氏(当選2回) 3万5392票

 

●国民民主党 3人
竹詰 仁氏(当選1回) 23万8956票
濱口 誠氏(当選2回) 23万4744票
川合孝典氏(当選3回) 21万1783票

 

●れいわ新選組 1人
水道橋博士氏(当選1回) 11万7794票

 

●参政党 1人
神谷宗幣氏(当選1回) 15万9433票

 

●社民党 1人
福島瑞穂氏(当選5回) 21万6984票

 

 改選された比例選出議員の定数は「50」だったため、7割以上が“ガーシー以下”となってしまう。

 

 与党では、自民党で、選挙当時に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の賛同会員として選挙支援を受けていた井上義行氏や、長年の旧統一教会との関係が噂される山谷えり子氏といった面々。公明党ではセクハラ行為が報じられた熊野正士氏も、ガーシー氏に“得票負け”している。

 

 ほかにも自民党の今井絵理子氏、日本維新の会の石井苗子氏、松野明美氏、中条きよし氏、れいわ新選組の水道橋博士氏といった“タレント候補”や、社民党党首の福島瑞穂氏や共産党政策委員長の田村智子氏といった“左派の大物”の名前もある。

 

 比例代表の獲得議席は「政党名得票」も含めて決まるため、個人の得票だけがすべてとは一概には言えないかもしれない。

 

 しかし、選挙制度を含めた“身を切る改革”を、国会議員たちが議論する必要があるのかもしれない――。

( SmartFLASH )

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