じつは、今回の取材では「質問4」を設けていた。12月10日、参院本会議で成立した、旧統一教会の被害者救済新法への賛否を問うものだ。新法は、悪質な寄付の勧誘を禁止し、行政の勧告や命令に従わなかった場合、懲役や罰金などの刑事罰を科す。
このには、創価学会に関する質問には「無回答」だった複数の教団も回答した。
「賛成。不完全かもしれませんが、まず第一歩として、これまで救われなかった方々を救う道が、開かれたことを評価します。もっと早くに定められるべきものだったと思います」(ワールドメイト)
「賛成。慎重な議論のうえで、適正な法整備がなされ、信仰に対する安心感に繋がることを望みます」(真如苑)
「被害者救済の対策は必要であるが、新法案および国会審議で『信教の自由』が侵害されないか懸念している」(新日本宗教団体連合会)
「救済については賛成。基準やその運用については今後も慎重に進めていただきたいと思います」(天理教)
多くが新法を前向きに評価するなかで、幸福の科学のみは明確に「反対」と答えた。
「変質者による暗殺事件は、宗教界全体への法規制や、政教分離規定に関係ないと考えています」
新法成立には、世論の後押しがあった。「信教の自由」侵害の懸念を拭えない新宗教も、大っぴらに「反対」とは言いづらいのだろうか。新法制定のきっかけとなった旧統一教会と、創価学会の共通点を指摘するのは、ジャーナリストの乙骨正生氏だ。
「フランスの『反セクト法』では、旧統一教会も創価学会もリストアップされています。『セクト』とは反社会的全体主義集団のことで、いわゆるカルトを意味します。『精神の不安定化』『法外な金銭的要求』『子供の囲い込み』『公権力への浸透の試み』などが認定の要件となります。
旧統一教会は、高額な献金や2世問題、政治への浸透で問題視されていますが、創価学会にも『財務』があるし、宗教2世問題もあり、政治へも、公明党を通じて浸透しています。旧統一教会問題で、これらの問題が表沙汰になったことで、いま学会内部には不満が広がっています」
創価学会に限らず、「新宗教」と呼ばれる各教団はみな、多かれ少なかれ統一教会問題のあおりを食った。
次なる“飛び火”は、はたしてーー。