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「岸田さんは怖い人」安倍元首相も一目置いた岸田評 高市経済安保相の「増税反対」意見に「辞表を出すべき」の強気姿勢

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.13 20:20 最終更新日:2022.12.13 21:03

「岸田さんは怖い人」安倍元首相も一目置いた岸田評 高市経済安保相の「増税反対」意見に「辞表を出すべき」の強気姿勢

 

 12月13日、岸田文雄首相は自民党役員会で、防衛費増額の財源確保に向け、1兆円規模の増税をする方針にあらためてこう述べ、理解を求めた。

 

「防衛力の抜本強化は安全保障政策の大転換で、時代を画するものだ。責任ある財源を考えるべきで、いまを生きる国民が、自らの責任としてその重みを背負って対応すべきものだ」

 

 日本の防衛費は、1976年、三木武夫内閣が閣議決定して以来、おおむねGNP(国民総生産)1%以内を目安としてきた。2027年度にGDP(国内総生産)比2%に増額する岸田首相の方針は、たしかに安全保障政策の大転換となる。

 

 

 現在、「1兆円規模の増税」として議論されているのは、以下の3点だ。

 

・法人税の増税 企業ごとに決まる法人税額に5%程度を上乗せする「付加税方式」で、7000~8000億円程度

 

・復興特別所得税の転用 2011年の東日本大震災後に導入され、所得税額に2.1%を乗じた金額が追加課税されている復興特別所得税から、4割にあたる約2000億円

 

・たばこ税の増税 紙巻たばこより割安となっている加熱式たばこの税額を引き上げ、2000~3000億円

 

 2027年度時点で、税制措置により1兆1000億円程度を確保する方針だ。防衛費増額のために突き進む岸田首相。思い出されるのが、故・安倍晋三元首相が語っていた「岸田評」だ。

 

 本誌は11月9日に報じた「岸田首相 “負担増計画”連発で『国民を怒らせる力』がすごい!」という記事で、安倍派議員のこんな言葉を掲載している。

 

「岸田さんは首相になるためだけに、この数年を耐え続けた。安倍さんは、よく『岸田さんは怖い人だよ。自分にも他人にも、痛みを感じない。落胆もしないから、絶対にあきらめない』と、周囲に話していました」

 

 安倍元首相の「岸田評」を痛感しているのが、高市早苗経済安保相だろう。

 

 もともと、防衛費のGDP比2%を強く主張していたのは、安倍元首相だった。2022年4月14日、安倍派の会合で「北大西洋条約機構(NATO)加盟国並みの、国内総生産比2%という目標をしっかりと示し、検討してもらいたい」と語り、防衛費確保のための国債を発行する必要性を訴えた。「防衛予算は、次の世代に祖国を残していく予算だ。私たちがいま求められているのは、予算において国家意思を示していくことだ」とも述べていた。

 

 安倍元首相に近い高市氏も、6月には『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)で、防衛費について「必要なものを積み上げれば、10兆円規模になる」と述べ、財源として「短期的には国債発行」だと述べていた。

 

 だが、岸田首相が選んだのは増税による防衛費増額だった。

 

 12月10日、高市氏は自身のTwitterで、岸田首相の増税方針に異を唱えた。

 

《企業が賃上げや投資をしたら、お金が回り、結果的に税収も増えます。再来年以降の防衛費財源なら、景況を見ながらじっくり考える時間はあります。賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません》

 

 12月11日、萩生田光一自民党政調会長も訪問先の台湾で、防衛費の財源について、国債の償還費の一部を活用する案を検討する必要性に言及し、増税以外の手段についても、十分な検討を尽くすべきとの意向を示した。

 

 だが、閣内からも自民党内からも出る反発に、岸田首相周辺は「総理は絶対に折れない。ここで折れたら政権が潰れる」と話し、官邸幹部は、高市氏を「政治生命をかけるなら辞表を出すべき」とけん制したと、12月12日、「TBS NEWS DIG」が報じている。

 

 12月13日、高市氏は閣議後記者会見でこう述べた。

 

「安定的な財源が必要であるということについては、総理と私の認識は違っておりませんでした。罷免をされるということであれば、それはそれで仕方がないという思いで申し上げております」

 

 増税に慎重な考えについて、撤回する考えがないことを明らかにした高市氏。安倍元首相が「絶対にあきらめない」と評した岸田首相は、高市氏にどんな判断を下すだろうか。

( SmartFLASH )

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