社会・政治
河野洋平「防衛費増やす前に中国と話しあえ」親中発言で思い出される外相時代の「ファミリー企業北京進出」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.01.09 18:14 最終更新日:2023.01.09 18:24
1月7日、元自民党総裁で衆院議長も務めた河野洋平氏が『報道特集』(TBS系)に出演。防衛費倍増、反撃能力の保有など、岸田内閣の防衛政策の転換について「ありえないと思っている」と批判した。
政策転換の起点は、安倍晋三元首相だったと指摘。軍備増強を加速させる中国については、「自分の言い分を正当化して押しかけてきている。それなら、やっぱり話し合う必要がありますね。その努力をどのくらいしたのか。外交関係でこの問題をテーブルに乗せて真剣に議論したことはあるか。私はそういう情報を聞いておりません」と、中国と話し合う必要性を説いた。
【関連記事:岸田首相、防衛費43兆円の次は「外国に軍事費を支援します!」林外相が予算20億円を明言】
さらに「反撃能力っていうのは武力による威嚇ですよね。武力を予算化しようとしている。政治や外交の努力を抜きにして、ただ壁だけ立てていく。壁の隙間から向こうへ鉄砲を向けて狙うのは本当の安全だとは思わない」と持論を展開した。
河野氏の「中国と話し合う必要がある」との発言に、SNSでさまざまな声が上がった。
《本当にその通りだ!外交が出来ていない安倍政治からの脱却。それが平和への道》
《昔の自民党にはちゃんとした人がいたんだ、ここ数十年どうしちゃったの、という気持ちになった》
こうした賛意の一方、作家でジャーナリストの門田隆将氏は、1月8日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《日本の反撃能力保有に苦言を呈し“外交力を”と宣う河野洋平氏。外相時代にファミリー企業『日本端子』を北京進出させ、あり得ない好条件の合弁を受けた人。今年も日中経済協会&日本国際貿易促進協会共催の新年賀詞交歓会で中国を利する挨拶。中国の暴挙には目を瞑るのが彼の信念。国民はもう騙されない》
日本端子は1960年8月に設立され、端子、コネクタの設計・開発および製造を手がける中堅企業だ。本社は神奈川県平塚市にあり、河野洋平氏が会長、同氏の次男である河野二郎氏が社長を務める。東京商工リサーチ企業情報(2022年8月)によれば、河野洋平氏は同社の株29%を所有しているとされる。
また、1993年から同社の取締役をつとめた経験がある河野太郎デジタル担当相も、2022年の資産公開で、同社株を4000株持っていることが判明している。まさにファミリー企業と言っていい。
日本端子のサイトには、1995年3月に「北京事務所」を開設、同年12月に「北京日端電子有限公司」を設立したとある。実は1995年3月当時、河野洋平氏は村山内閣の副総理で外務大臣、かつ自民党総裁でもあった。
2021年9月、河野太郎氏が自民党総裁選に出馬した際も、日本端子と河野家の関係について疑問視する声が上がっていた。ジャーナリストの有本香氏は、2021年9月25日、夕刊フジの連載でこう疑問を呈している。
《海外事業がほぼ中国のみで展開されている「日本端子」について、多くの国民がいぶかしく思うのは、不釣り合いな合弁相手だ。
(中略)ディスプレーで世界屈指のシェアを持ち、営業規模2兆円を超える大企業が、100分の1以下の規模の日本の中小企業に、特例的な株式比率での合弁を許してきた。その理由は「日本端子が、河野ファミリーの会社だからではないか」と誰もが思う》
河野太郎氏は、2021年9月26日、インターネット番組で、弟が日本端子の社長をつとめていることが、自身の対中政策に影響する可能性について聞かれ、「なにか特定のために政治活動をゆがめるつもりはまったくない」と否定。「中国との間で言うべきことをきちんと言うのは非常に大事だと思ってやってきた。中国寄りということはない」と強調した。
父・洋平氏が中国寄りの発言をするたびに思い出される「日本端子」の名前。太郎氏が首相を目指すうえでの足枷とならなければよいが。
( SmartFLASH )