防衛費増額の財源確保など、60法案が審議される第211回通常国会。予算案も過去最大の114兆円を超えた。
物価高、賃上げ、少子化など、継続課題も山積みだが、国民の生活にかかわる重要な議論の場ながら、残念なことに“居眠り議員”が後を絶たない。
地方議会では、たとえば市川市が本会議をYouTubeで中継することで、議員の居眠りを抑止する対策を始めた。しかし国会は、そもそもテレビ放送やインターネット中継があるにもかかわらず、“センセイ”たちはよほどの強心臓だ。
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居眠りのほかに目につくのは、審議中の読書。議題に関連する資料ならまだしも、“趣味”と思える本に没頭する議員も多い。
その代表は、石破茂衆院議員だろう。元防衛相の石破氏は“軍事オタク”として知られ、2月6日の予算委員会では月刊誌『軍事研究』を、9日の同委員会では『現代戦略論』(高橋杉雄著)を熟読していた。
国会担当のカメラマンが語る。
「石破さんの机には、よく本が置かれています。“ツンドク”も多いのですが、ときどき、パッと手にとっては読書に集中することもしばしばです。
やっぱり防衛問題や兵器に興味があるようで、『軍事研究』の戦闘機の写真に見入ったりする姿が印象に残っています。北朝鮮問題の本も読んでいましたね。
たしかに審議と関係ない本を読んでいることも多いのですが、石破さんは議論自体は聞いているようで、ときどき頷いたりして、反応しています」
一方、本を追及のための“武器”にする議員もいる。2月8日の予算委員会で、同日、刊行された『安倍晋三 回顧録』をもとに切り込んだのが立憲民主党の大西健介氏だ。
大西氏は、「財務省と、党の財政再建派議員がタッグを組んで『安倍おろし』を仕掛けることを警戒していた」という同書の記述を引用しながら、かつて外相や政調会長として安倍氏を支えてきた岸田文雄首相に、「安倍おろし」の動きを感じたかを質問。岸田首相は、「感じたことはありません」と答えた。
大西氏のように質疑に使うためならば、本を持ち込むのは理解できる。しかし、国会を図書館と勘違いしておられるのか、審議とは無関係な読書に没頭するセンセイに、議員の資格はあるのか。
( SmartFLASH )