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日本は撃墜できない「中国スパイ気球」実情と真意、撒かれたのは「GPSつきピンポン球」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.16 06:00 最終更新日:2023.02.16 06:00

日本は撃墜できない「中国スパイ気球」実情と真意、撒かれたのは「GPSつきピンポン球」

米国上空を飛行していた中国の偵察気球(写真・共同通信)

 

「今回の気球はバス3台分の大きさで、気象観測用の気球とは比べものにならないくらい大きい。中国はこの偵察気球を使って、地上の通信データや無線通信などを拾っている可能性があるとの指摘があります。これが事実なら、アメリカにとって、安全保障上の大きな脅威ですよ」

 

 そう語るのは、国際ジャーナリスト・山田敏弘氏だ。米国は2月4日、米国上空に浮かぶ中国の偵察気球を撃墜した。その後の調査によると、通信を傍受できるアンテナが搭載されていたことが判明。

 

 

 中国は「過剰反応だ」と米国の措置に抗議しており、一触即発の状態が続いている。軍事評論家の西村金一氏が、「中国スパイ気球」の実情を語る。

 

「気球で観測したデータは、ピンポン球サイズの小型記録媒体に収められます。GPS付きで、キューバやベネズエラなど、米国領海外の友好関係にある国に落下傘で落とし、中国の工作員が回収するという手順です」

 

 なんともアナログな“スパイ活動”だが……。「中国の狙いは偵察以外にある」と語るのは、元共同通信社論説副委員長の春名幹男氏だ。

 

「専門家の間では、本当の狙いは“中国は米国を監視しているぞ”と、挑発することだという見方があるんです。それほど今回の気球は、不自然に目立ちすぎています。

 

 実際、5日から予定されていたブリンケン国務長官の訪中は延期になりました。この気球1機で、冷え込んでいた米中関係の修復が遠のいたのです」

 

 今回撃墜されたものに酷似した気球は、昨年、沖縄でも目撃されているが……。

 

「日本政府は、中国から気球が飛んできていることにすら気づいていないわけです。そもそも、出所不明のものに撃墜命令は出せません。加えて自衛隊法上、国内に被害が及ぶことが明確でない限り、撃墜は不可能でしょう」(同前)

 

 今この瞬間も、日本の機密情報が筒抜けになっているかもしれない。

( 週刊FLASH 2023年2月28日号 )

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