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英国王戴冠式「秋篠宮ご夫妻参列」に高まる批判 皇室研究家は「やはり天皇陛下が」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.14 13:15 最終更新日:2023.04.14 13:15
5月6日に予定されている、チャールズ新英国王の戴冠式。チャールズ3世は、カミラ王妃とともにウエストミンスター寺院でカンタベリー大主教により王冠を授けられ、正式な“英国王”となる。当然、英王室からは、英国内の貴族はもちろん、世界各国のロイヤルファミリーに式への招待状が発送された。
当然、日本の皇室にも招待状が送られてきている。政府は4月11日の閣議で、正式に秋篠宮さまご夫妻が参列されることを了承した。
「正式決定の1カ月前、3月13日に、戴冠式には秋篠宮ご夫妻が参列される予定であるということをメディアが報じると、猛批判が起きました。『週刊新潮』(3月23日号)では、宮内庁に抗議の電話やメールが殺到していると報じています。その内容は『なぜ秋篠宮ご夫妻が選ばれたのか』『天皇皇后両陛下や愛子さまに参列していただくことはできないのか』といったものです」(皇室担当記者)
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招待状には、具体的な宛先はなく、口上書に、国家元首を招待すること、そして元首が出席できない場合は、代理が出席可能である、と書かれているという。
なぜ秋篠宮さまご夫妻が参列されることになったのか。皇室研究家・高森明勅氏はこう語る。
代理を立てることは「非礼」ではない
「私が想像していた以上に、秋篠宮ご夫妻が参列することへの反発が強いようですね。
ただ、誤解もあるようでして、最初から英国側が『国家元首またはふさわしい代理』といって来ているので、代理を立てたからといって、英王室に対して非礼に当たるということではないんです。向こう側はあらかじめ、それを織り込んでいるということです。
まず、戴冠式には国家元首や君主本人は行かないのが、これまでの慣例なんです。先代のエリザベス2世女王の戴冠のときも、昭和天皇の代理として、いまの上皇陛下が皇太子として、お出ましになっているんです。上皇陛下は当時、19歳でしたが、皇太子なので18歳で成年を迎えていますから、ご公務に当たることができるということで、英国に行かれたわけです」
つまり、天皇陛下が戴冠式に参列されるのは「前例がない」ということだが、高森氏はそれに「ちょっと首をかしげる部分もある」と語る。
「というのも、どうも英王室には、前例を超えよう、というお考えがあるようです。エリザベス女王は若くして国王になられたわけですけれども、今回、チャールズ新国王はもう70代になられて、ある程度、年齢を重ねておられます。ダイレクトに国家元首、各国君主とのつながりを深めるためには、儀礼的にナンバー2が来るよりも、元首ご本人、国王ご本人をお迎えしよう、という姿勢があるようなんです。
ですから今回、宮内庁が前例がないことを大上段に、代理を立てる理由に持ってくるというのは、必ずしも説得力があるわけではありません」
宮内庁は、秋篠宮さまご夫妻が戴冠式に参列される理由について、もうひとつあげている。
「2022年に亡くなられたエリザベス女王は生前、天皇皇后両陛下を国賓としてお招きしたいと、招待をしておられました。しかし、コロナ禍に入って、両陛下の訪英が延期されている間に、女王陛下が亡くなられてしまいました。
そこで今後、天皇皇后両陛下による国賓としての英国訪問を、早急に実現したいという説明が宮内庁からありました。天皇皇后両陛下は、エリザベス女王の国葬に行かれていますので、もし国賓としての英国訪問が近く実現し、さらに戴冠式にも参列されるということになれば、短期間に、立て続けに天皇陛下が英国へお出ましになることになります。
諸外国からも、天皇陛下にお出ましいただきたい、という要望は来ているわけですから、いくら英国とのご縁が深いからといって、それはちょっとバランスを欠く、ということになります」
戴冠式と園遊会は「両方、お出まし可能」
今回、秋篠宮さまご夫妻の戴冠式ご参列について誤解が生まれた背景には、宮内庁の発信力不足があるという。
「具体的に、天皇陛下が国賓として英国にお出ましになるのが、いつごろのことになるのか、というスケジュール感が、ぜんぜん国民に見えていないわけです。それで、反発が強まってしまったというところもあると思います。
たとえば『今年の秋には、国賓としてお出ましになる』ということが分かっていれば、国民の受け止め方もかなり違ったと思うんですよ。しかし、こうした背景やスケジュールの説明もないなかで、『国家元首をお迎えしたい。それが無理なら代理』という招待に対し、宮内庁がいきなり『代理』で応じるという方針を固め、早くから秋篠宮殿下のお名前が出ていました。それはちょっと違うんじゃないか、という違和感が、だんだんと大きな反発にまで高まっていった、というのが経緯だと思いますね」
2023年は、コロナ禍で中止になっていた園遊会を、5月に規模を縮小して開催する予定となっている。一部では、ある種の“陰謀論”まで出ている。
「天皇陛下を参列させないため、あえて園遊会を開催し、秋篠宮殿下が戴冠式に参列するようにした、という憶測も飛び交っているようです。しかし普通、4月にやる園遊会をなぜ5月にやるのかというと、コロナが5類に下げられるまで待っているということもありますし、戴冠式と園遊会はスケジュール的にぶつかっていないので、両方、お出ましになることは可能です。こちらも、情報不足による誤解が広がっているようです」
「天皇陛下が行かれるのが望ましい」と思う理由
では、ずばり高森氏としては、今回の戴冠式への参列について、どのように考えているのか。
「私自身は、天皇陛下がいつ、英国に国賓としてお出ましになるのか、ということがはっきりするのであれば、秋篠宮ご夫妻が戴冠式にご参列することには、いちおう納得はできます。しかし、本来は天皇陛下が行かれるのが望ましかったのかな、と思っているんです。
要するに、これまでの英王室とのおつき合いの深さということを考えて、今後の皇室と英王室との関係、あるいは英国と日本の両国の関係をしっかりと結ぶ、という点では、やはり天皇陛下ご自身が行かれる、ということがいちばん望ましかったと思うんです。ただ、先ほど言ったように、特定の国に、天皇陛下という重いお立場の方が繰り返し行かれる、ということは望ましくないので、そこは宮内庁によるスケジュールの調整になるかとも思います」
天皇陛下の参列が難しければ「愛子さまを」という声もあるが、現在の皇室典範により、制約があるという。
「エリザベス女王の戴冠式は、昭和天皇のご長男の、いまの上皇陛下が行かれたわけです。上皇陛下が行かれたときの年齢は19歳で、愛子さまは現在、21歳。つまり成年皇族になっておられるので、年齢的にも問題はありません。しかも、天皇陛下のご長女でいらっしゃる……。
しかし、上皇陛下が参列されたときのお立場は、あくまで皇太子だったわけです。ところが愛子さまの場合、いまの皇室典範のもとでは、皇太子ではないどころか、皇位継承資格自体、持っておられないわけです。一方で、秋篠宮殿下という、皇位継承順位第1位の方がおられるわけですから、順番からすれば、天皇陛下がお出ましになられない場合、いまの制度を前提とする限り、順番としてはやはり秋篠宮殿下、ということになるだろうと思います。
今回、秋篠宮ご夫妻の英国王戴冠式へのご出席への違和感、反発が予想以上に高まったのは、天皇皇后両陛下のお出ましがご無理でも、国民の敬愛を集めるご長女の愛子さまがおられるにもかかわらず、女性には皇位継承資格を認めない、旧時代的な制度が維持されているという、国民の気持ちと制度のギャップが、もっとも大きな原因だろうと思います」
皇室外交への国民の理解は大切なはず。宮内庁による丁寧な説明が望まれる。
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