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キャンプ場で倒木直撃、女性死亡…知っておくべき「テントを張ってはいけない場所」専門家に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.18 18:00 最終更新日:2023.04.18 18:00
4月16日、神奈川県の「新戸キャンプ場」で、倒れた木がそばに張ってあったテントを直撃、29歳の女性が死亡する事故が起きた。同じテントにいた夫は、肋骨を折るなどの大ケガをしたという。
報道によると、夫婦が寝ていたテントの上に、太さ70センチ、高さ18メートルほどの木が倒れ込み、2人は木の下敷きになった。木は根元から倒れており、根腐れの可能性があるとして、警察が調べを進めているという。
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楽しいキャンプになるはずが、痛ましい事故に――。キャンプ人口は年々増えているが、なかにはまだあまり知識のない人も多いようだ。そこで、東京都キャンプ協会理事長で、鎌倉女子大学准教授の西島大祐さんに、テントを張るときの場所選びについて話を聞いた。
「テントを張る場所については、あまり風が吹かないところ、平らなところ、日当たりのいいところがよいと言われます。テントを張るべきでない場所はその逆で、風が強く吹くところ、凸凹しているところ、日当たりの悪いところです。
木の真下も避けたほうがよいです。今回の事故のように倒木の可能性も少なからずありますが、一番の理由は枝などが落ちてくる可能性があるからです。日当たりが悪いという意味でも、木の下はおすすめできません。あとは、谷あいや河辺など、水の通る場所は避けたほうがいいでしょう」
今回の事故写真を見ると、根元から倒れた木の、枝分かれし始めたあたりでテントが潰れている様子が見られる。西島さんは「まだ詳しい状況がわかっていませんが、不運だった部分が少なからずあると思う」と話す。
「今回は木が根元から倒れたということなので、かなりレアなケースだと思います。キャンプ中、木の枝が折れることで起きる事故は散見されるんですが、根元からというのは、あまり聞いたことがない。
明らかに枯れているような木でも、倒れてくるとはまず思いません。さらに、今回はキャンプ場内のことですから、管理されていると考えるのは当然ですよね。だとすると、“だめな場所” を一般の方が見抜くのは難しいと思います。
報道では、施設の人が『毎日点検をしていた』とお話されていたといいます。なかなか気づかない根腐れの原因があったのかもしれませんし、どこまで点検できていたのか、という疑問もあります。
キャンプ場によっては、施設の老朽化が進んでいたり、人件費や管理費用をきちんとかけられなかったりする場所もあるんです。
そうした人的被害の可能性は捨てきれません。今回事故が起きたキャンプ場をいたずらに非難すべきではありませんが、今後このような悲しい事故を防ぐためにも、そのあたりはきちんと調査してほしいです」
最後に、西島さんはこうも語った。
「私の立場としては、できる限り安全面に気をつけて行動することをおすすめします。身の回りに危険なものがないか、テントを張っている場所が適切なのかどうか、初心者の方も、慣れている方も、あらためて確認していく必要があると思います」
( SmartFLASH )