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食費の節約で、爪は欠け頭痛も…『クロ現』が伝えた困窮ぶりに「食品を非課税にして!」切実な声

社会・政治 投稿日:2023.07.19 21:10FLASH編集部

食費の節約で、爪は欠け頭痛も…『クロ現』が伝えた困窮ぶりに「食品を非課税にして!」切実な声

消費増税の反対デモ(2013年、写真:鈴木幸一郎/アフロ)

 

 物価の高騰が止まらない。帝国データバンクによると、7月に値上げされる食品は3566品目。2023年に予定されている値上げ食品は、6月末時点で少なくとも2万9106にのぼるという。

 

 食べ物の値上げの影響を強く受けているのが、年金生活者やシングルマザーといった人たちだ。7月18日、『クローズアップ現代』(NHK)が、そうした人たちの困窮ぶりを放送した。

 

「番組では、食品価格の高騰に悩むシングルマザーなどが紹介されました。ある女性は『カレーの肉を減らしたり、じゃがいもでかさ増ししたり』と生活苦を語り、別の女性は『食費を節約した結果、栄養不足で爪が欠けたり、偏頭痛が出た』などと語っています」(経済担当記者)

 

 

 番組が放送されると、SNSには、

 

《子供に栄養のあるものを食べさせてお母さんは我慢して栄養失調の話やばいな。お母さんは看護師らしく、資格持ちでも働く時間の制限などで貧困になっているのが恐ろしい》

 

 などの声が寄せられた。そうしたなか、一部で叫ばれたのが「食料品を非課税に」という声だ。

 

《体壊したら働けなくなるし、医療費負担も増える。やはり食べ物の消費税は無くすべきだと思うんだよ》

 

《食品群は非課税、高額商品群(車、家、高級家電、etc)は累進税にしても税収は変わらないだろうと。全ての子供に、お腹いっぱい食べて欲しい》

 

《食料品の消費税課税は単価1000円未満まで非課税とか出来へんのかな》

 

《そうだよな、食品は非課税でいいよな、生活必需品なんだから》

 

 この「食品を非課税に」という議論は、30年以上前からおこなわれてきたと、前出の経済担当記者が語る。

 

「消費税は、もともと大平正芳内閣が提出した『一般消費税』構想から始まっていますが、批判を浴びた内閣は1979年の衆院選で大敗しています。

 

 その後の1987年、中曽根康弘内閣が『売上税法案』を提出。このときは食品や新聞などを非課税としましたが、結局、廃案になりました。

 

 1989年の消費税導入時は、低所得者への負担が重くなる『逆進性』について大きな反発が集まったことで、食品など生活必需品への課税について議論が繰り返されました。しかし、もともと3%と低い税率だったことから、なにを非課税にするのか曖昧なままスタートしてしまいました。

 

 翌年、海部俊樹内閣が提出した消費税見直し案では、食品を流通過程で1.5%、小売り段階で非課税とする軽減税率が盛り込まれましたが、こちらも廃案となりました。

 

 消費税は2019年に10%になりましたが、導入にあたっては軽減税率が大きなテーマとなりました。このときは、『酒類以外の食品』『生鮮食品のみ』『精米のみ』などの案が議論されましたが、結局まとまらず、『酒類・外食を除く飲食料品』と新聞が8%に据え置かれることになりました。

 

 外国では、アイルランドやイギリスなど、特定の食品に消費税を課税していない国が多々あります。物価高騰にあえぐ日本でも、『食品は非課税』議論を再燃させるべきときかもしれません」

 

 5月の消費者物価指数は、約42年ぶりの高水準となっており、今後も物価の高騰は続きそうだ。7月19日に開かれた政務調査会では、議員たちから物価対策への要望が相次いだが、その要望が実現するかどうかは未知数だ――。

( SmartFLASH )

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