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楽天・三木谷氏「NTT完全民営化」めぐって憤激「X」で大論争勃発…そういえばどうなった「7万2000円の電話加入権」

社会・政治 投稿日:2023.11.20 17:03FLASH編集部

楽天・三木谷氏「NTT完全民営化」めぐって憤激「X」で大論争勃発…そういえばどうなった「7万2000円の電話加入権」

総務省の委員会に臨む携帯4社のトップ(写真・時事通信)

 

 大手通信会社がSNS上でガチバトルを繰り広げ、注目を集めている。

 

NTT法に関連して当社よりお伝えしたいことがあります。「税金で整備した光ファイバー網を持つNTTの完全民営化は愚策」説の勘違い 保有資産は最終的には株主に帰属するのでこの主張はナンセンスな話です》

 

 これは11月17日、NTT広報室が「X」に投稿したもの。三木谷浩史楽天グループ社長の

 

 

《『NTT法を廃止』して、国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない。携帯含め、高騰していた通信費がせっかく下がったのに逆方向に行く最悪の愚策だと思います》(11月14日の「X」より)

 

 という怒りの投稿を引用し、「ナンセンス」と反論したものだ。

 

 この三木谷氏の投稿には、ソフトバンクの宮川潤一社長が《30年かけて40兆円もの国税で創り上げた日本の重要インフラを一企業に無償譲渡とは、贈与税を払ってもらいましょうよ!》と賛同。KDDI高橋誠社長も同じ意見であることを「X」に投稿している。つまり、NTTと、KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの通信3社の対立という図式だ。

 

「NTT法とは、NTTの前身が国営の電電公社であったことから定められた法律です。日本政府が防衛費の財源確保のため、保有するNTT株を売却する案が浮上したのですが、そのためにはNTT法の改正が必要です。

 

 NTT法には、研究開発の開示義務など、NTTに “足枷” となるものがいくつもあります。40年も前に作られた法律なので、時代に則って廃止すべきというのがNTTの望みですが、競合各社はこれに反対しているのです。

 

 NTT法がなくなれば、公社時代に構築した莫大なインフラ資産を持つNTTが圧倒的優位に立ち、公正な競争ができなくなる――というのが、NTT以外の通信各社の言い分です。

 

 一方で、NTTは『X』で、《ソフトバンクも元々の母体である日本テレコムが国鉄から分割された際、国鉄の通信資産を受け継いでいます》《そもそも光ファイバーはほぼ全て公社ではなく民営化後に敷設》などと、真っ向から対立しています」(週刊誌記者)

 

 このような議論がオープンにおこなわれることは、ユーザー側にとっても悪い話ではないだろう。ただ、その一方ではこんな声も。

 

《その光ファイバー網を支える電電柱(現在のNTT柱)は税金だけじゃなくて電話加入権収入でも整備しましたよね。で、加入権どこやったっけ?》

 

《そんな戯言は、かつて多くの国民に課した「電話加入権」とやらを全て買い戻してから言っていただけませんかね?》

 

《その理論が通るなら加入権のお金、当時支払った額で返してもらえるんですよね?》

 

《そんな事よりクソ高で買わされた加入権を返して下さい》

 

「NTTが保有する資産は莫大です。土地は東京ドーム370個分、電柱は1190万本、光ファイバーは110万キロ。その他、ケーブルを通す地下トンネルなど、資産価値は40兆円とも言われています。それを整備したのは税金だけでなく、我々が支払った『電話加入権』ではないかというわけです。

 

 電話加入権は、家や会社などに固定電話を引く際に必要な権利で、1971年からは5万円、1976年から8万円、1985年から7万2000円などとなっていました。2005年以降は3万6000円ですが、携帯電話や光回線を使った電話では不要です。

 

 かつては加入権は資産とされ、売買されることも多くありました。しかし現在、資産的価値はありません。NTTが買い取ることもありません。買い取り業者もありますが、2000円程度です。

 

 電話加入権は利用休止もできますが、申し出ないと権利が消滅します。携帯電話が普及したいま、多くの加入権が消滅してしまったはずです」(同)

 

 記者自身、1980年代に地方から東京の大学に入学するため上京、そのときに7万2000円で加入権を買った。そして15年ほど前、光電話に切り替えたため、加入権は解約。その際、加入権のお金は戻ってこないのかNTTに確認したが、戻らないとのことで、なんとも複雑な気持ちになった――。

 

 SNSには、

 

《NTT法の話も大事ですが、まずは電話加入権を返して欲しい。大学生にとって72,000円は大金だった…》

 

 と、記者と同じ思いの人の声もある。昭和世代の「あるある」なのかもしれない。

( SmartFLASH )

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