12月8日早朝、朝日新聞が報じた松野博一官房長官への疑惑が話題を呼んでいる。報道によれば、松野官房長官は直近5年間で派閥から1000万円を超える裏金のキックバックを受けていた疑いがあるという。
「松野官房長官は2019年9月から2021年10月まで安倍派の事務総長でした。派閥関係者が東京地検特捜部の任意の調べに『キックバックは事務総長に報告した』という内容の説明をしているようですから、松野官房長官はキーパーソンのひとりであることは間違いないと見られています。今回、具体的な金額が出てきたことで進退問題に波及する可能性も出てきました」(政治担当記者)
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8日午前の官房長官会見でも記者から「辞任」についての質問が出たが、松野長官は相変わらず「引き続き、緊張感を持って与えられた職責を果たしていきたい」と同じ言葉を繰り返していた。しかし、松野官房長官を取り巻く環境は厳しい。事件担当記者はこう語る。
「特捜部は全国から応援の検事を集めていますから『調べましたけど、何もありませんでした』とはいかないでしょう。松野官房長官案件にはエース級の検事を投入して還流分を精査しています。今後の焦点は、私的流用があるかどうかです。それが見つかればアウト。官房長官辞任どころではなく、議員辞職も視野に入ります」
これまでもパーティー収入を政治資金収支報告書に記載しなかったことで議員辞職、立件に至ったケースはある。直近では、2022年12月に自民党所属の衆院議員だった薗浦(そのうら)健太郎氏に4000万円を超える不記載が発覚し、議員辞職。政治資金規正法違反で略式起訴され、罰金100万円、公民権停止3年が確定した。
「薗浦氏は秘書との共謀が認められました。カネがらみでは会計責任者だけが処罰されるケースが多いのですが、松野官房長官は事務総長という立場ですべてを知っていた可能性があります。そうすると『秘書が独断で』と言った言い訳が果たして通用するのか。
この臨時国会が閉会する12月13日以降、特捜部による松野官房長官の任意聴取があるのかどうかもポイントです。官房長官から話を聞くということは、相当な裏付けがあるということです」(前出・政治担当記者)
ここ数日の松野長官は「疲れ切っていて、足取りもふらつく」(自民党関係者)というが、ネット上には変わらず厳しい言葉が寄せられ続けている。
《精査するもなにも、自分自身が分かっているくせに、何をとぼけた回答をしているのかと》
《自民党は詰んだな。松野さんだけではないだろう、自民党全体としてキックバックをして裏金を作っているはず》
《精査も弁解もしなくて良いから辞めろ》
堅い殻に閉じこもり、攻撃から身を守る様子が似ていることから、ついたあだ名は「アルマジロ松野」。殻から出て、真実をつまびらかにしてほしい。
( SmartFLASH )