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「店じまい内閣」で関心は“ポスト岸田”一色 大穴は高市早苗「日本保守党、安倍派も連携する」岸田首相の“かっこつけ辞任”へ

社会・政治 投稿日:2023.12.21 15:26FLASH編集部

「店じまい内閣」で関心は“ポスト岸田”一色 大穴は高市早苗「日本保守党、安倍派も連携する」岸田首相の“かっこつけ辞任”へ

次期総理候補として名前が急浮上している高市早苗

 

 裏金問題が“ダメ押し”となった。各社の世論調査で支持率は軒並み過去最低を更新。SNSでは「店じまい内閣」ともいわれ始めた岸田政権ーー。すでに国民の関心は「ポスト岸田」に移っている。

 

 元朝日新聞政治部デスクで政治ジャーナリストの鮫島浩氏は、岸田文雄首相の後継争いは“キングメーカー”麻生太郎副総理の胸先三寸だという。

 

「もともと岸田首相の後ろ盾だった麻生副総理は、彼を見限りました。岸田首相では解散・総選挙はできず、秋の総裁選にも勝ち抜けません。一方で、麻生ー茂木ー岸田の主流三派が権力を握る体制は維持したい。

 

 

 有力候補が少ないなかで、麻生氏がポスト岸田に担ぎ上げるのは、茂木敏充幹事長しかいませんよ。麻生氏にとって茂木氏が『ポスト岸田』の本命です」

 

 茂木首相実現のためには、ある条件がある。岸田首相が2024年の春に辞任することだ。

 

「もしもこのまま、岸田首相が秋まで居座ると、自民党員の投票をカウントする正規の総裁選を開かなくてはいけません。しかし、党員から支持されていない茂木氏は不利になるでしょう。そこで、岸田首相が来春辞任し、臨時の総裁選がおこなわれれば、党員投票のない国会議員だけの投票になるので、人気のない茂木氏でも派閥の多数派を取れば勝てるのです」(鮫島氏、以下同)

 

 来春の辞任は、岸田首相にとっても都合がいい。

 

「春に予算を成立させ、国賓待遇での訪米を花道にして辞めれば、それなりに格好はつくでしょう。“外交の岸田”を自認してきましたからね。実際、岸田首相は“かっこつけたがり”なんですよ。広島サミットをはじめ、メディアにパシャパシャと撮られるイベントが大好き。しかも、官房長官人事にあたり、浜田靖一氏に断られたことがかなり堪えているようです。求心力がガタ落ちしたことが、明らかになってしまいました。どこかで辞めなきゃいけないことは、本人もわかっているんです」

 

 さて、“茂木総理”誕生が本命だとして、このシナリオには波乱要因もある。高市早苗という“大穴”の存在だ。

 

「高市氏は生粋の非世襲です。無派閥ですが、無派閥で安倍晋三元首相に担がれて安倍後継者の立場に立った。安倍支持層の右派言論人には熱狂的支持を集めていて、石破、小泉、河野に続く人気があります。

 

 弱点は、党内基盤がまったくないことです。思想的に安倍氏と近いとはいえ、安倍氏が無派閥の高市氏を担いだことで、安倍派の後継を狙う五人衆は高市を毛嫌いし、遠ざけてきました。いわば嫉妬ですね」

 

 11月上旬には、「『日本のチカラ』研究会」という名前の勉強会を立ち上げて、第一回の勉強会では13人出席して、そのうち安倍派は3人にとどまった。

 

「高木毅氏、松野博一氏、西村康稔氏、萩生田光一氏、世耕弘成氏という安倍派5人衆の“脅し”があったからです。心情的には高市氏を応援したい若手も、五人衆の顔色を見て、高市氏に近付けない状況があったわけです。そこに今回の事件が起きて、5人衆が全員、失脚しました。“重石”が取れたことで、安倍派の議員が堂々と高市に近付けるという状況ができたんです。

 

 さらに安倍派の次の有力なリーダー候補は福田達夫氏です。祖父・福田赳夫、父・福田康夫という総理を2代続けて出した名門の家柄。安倍派は元々、岸信介、安倍晋太郎に連なる安倍系と福田赳夫に連なる福田系がありました。ここのところ、ずっと安倍系が強かったのですが、今回の事件で、安倍系はほぼ全滅しました。もう一度、福田系の下に再建しようという動きが出てきています。

 

 でも、安倍チルドレンの右派は、ハト派の福田系を嫌っています。福田達夫氏がリーダーになると、右寄りの安倍派議員は、高市氏の元にさらに集まるとも考えられます」

 

 さらに、高市氏は自民党外の応援団も得た。

 

「作家の百田尚樹氏が立ち上げた日本保守党が安倍晋三氏の遺志を継ぐ者として高市氏と連携する可能性があります。日本保守党は、Xのフォロワー数でも、政党別で一番になったし、馬鹿にはできません。いっぱしのグループになる可能性がある。いずれにせよ、高市氏が台風の目になるのは間違いなさそうです」

 

 そもそも、総理が誰であれ闇金まみれの自民党に政権を握ってほしくないという国民の声のほうが多そうだが……。

( SmartFLASH )

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