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「1円たりとも許しません」加藤鮎子こども相の「支援金ひとり月300円徴収」説明に批判殺到、与党議員からも疑問の声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.02.15 15:06 最終更新日:2024.02.15 15:18
2月14日、加藤鮎子こども政策担当相は、衆院予算委員会で、少子化対策の財源確保のため公的医療保険料に上乗せする「支援金制度」の負担額について、初年度の2026年度は、加入者ひとりあたり月平均で300円弱となる、との試算を明らかにした。2027年度は400円弱とした。自民党の上野賢一郎氏への答弁。
政府は2026年4月から支援金の徴収を始め、初年度は6000億円、2027年度は8000億円、2028年度は1兆円を集める計画だ。
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政府は2026年度と2027年度に、75歳以上の後期高齢者の負担割合を8%、現役世代を含む74歳以下の世代で92%にすることを決めている。
加藤氏は300円弱としたものの、実際の負担額は、加入する医療保険や所得によって変わってくる。
国民民主党の玉木雄一郎代表は2月15日、自身の「X」にこう書きこんだ。
《加藤大臣が1兆円の「支援金」の負担について、「初年度は月300円弱の負担」と答弁したが、これもあまり意味のない数字。事業主負担分を約35%として、初年度2026年度6000億円のうち残りの負担額3900億円(65%分)を1億2千万人の全人口で割り、それをさらに12ヶ月で割って、「国民一人当たりの月額の負担額」約270円を算出しているに過ぎない。組合健保の被保険者一人当たりだと初年度は月額900円弱の負担になると思われる。政府は、保険者ごとに、実際に健康保険料を負担する「被保険者一人当たり」の正確な負担額を出すべきだ。》
2月6日の国会答弁で岸田文雄首相は、2028年度は支援金制度の負担額が「ひとりあたり月平均500円弱となると見込まれている」と語っていた。また、「歳出改革と賃上げで、実質的な負担は生じない」とも強調した。
こうした政府の姿勢に、与党の公明党からも疑問視する声が上がっている。
2月14日、公明党の高木陽介政調会長は記者会見で、支援金制度について、政府側が「歳出改革と賃上げで実質的な負担は生じない」と説明していることに対し、「一般的にわかりにくく、国民の理解が進まない要因のひとつだ」と指摘。こう苦言を呈した。
「もっと真正面から支援金制度の意義や必要性を説明すべきだ。個人負担のモデルケースを丁寧に示すことや、少子化対策は全世代にプラスになることなどを粘り強く説明し、国民の理解を得る努力を続けるべきだ」
加藤こども政策担当相が、支援金制度の負担額についてひとり当たり月平均で300円弱と説明したことに対して、SNSでは批判的な声が殺到している。
《どうせ所得制限かかるような人は2000円くらい負担させられるんでしょ 細かい試算をしてないはずがないのに、今出したら叩かれるから出さないだけでしょ》
《月いくら徴収するのが問題ではなく健康保険料を少子化対策のために流用することが問題の本丸。1円たりとも許しませんよ。本気で少子化対策を推し進めるなら雇用保険法の改正によるリスキリング等のバラマキ案をただちに取りやめ社会保険料の減税を行うべきです》
《今まで成功したこともないくせに、まだ手取りを減らしてまで何かやろうとするのやめたらどうなの? また失敗するよ。まずはこども家庭庁を潰して予算5兆円を減税につかおう》
ひとりあたりの月平均負担額を示し、「歳出改革と賃上げで、実質的な負担は生じない」と説明するだけで結局、新たな負担が増えるのでは、国民が納得するはずがない。
( SmartFLASH )