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「核部隊は臨戦態勢」プーチン氏、対独戦勝記念日に演説「被害者1000万人」識者が語っていた“最悪のシナリオ”

社会・政治 投稿日:2024.05.10 20:16FLASH編集部

「核部隊は臨戦態勢」プーチン氏、対独戦勝記念日に演説「被害者1000万人」識者が語っていた“最悪のシナリオ”

対独戦勝記念日で演説したプーチン氏(右)とショイグ国防相(左)(写真・時事通信)

 

 5月9日、ロシアは第二次大戦の対独戦勝記念日を迎え、プーチン大統領はモスクワ中心部の「赤の広場」で演説をおこなった。同日配信の読売新聞によると、プーチン氏は「誰であっても我々を脅かすことを許さない。我々の(核)戦略部隊は常に戦う準備ができている」と述べた。

 

「パレードには、核兵器を複数搭載可能な多弾頭型のICBM『ヤルス』や、核弾頭を搭載できる短距離弾道ミサイル『イスカンデル』が登場し、戦闘機『Su(スホイ)30SM』も上空を飛行しました。

 

 また、プーチン氏は同盟国のベラルーシのルカシェンコ大統領とともに記者団の質問に答え、戦術核の使用を想定した軍事演習にベラルーシの参加を提案したと明らかにしています。ウクライナと隣接するベラルーシにはロシアの戦術核兵器数十発が実戦配備されているとみられています」(軍事ジャーナリスト)

 

 

 プーチン氏は3月の大統領選で通算5選を果たしたが、5月7日の就任式でもウクライナ侵攻を批判する欧米に屈しない姿勢を強調している。

 

「このとき、ロシア国防省はウクライナに近いロシア国内の南部軍管区で欧州を射程に収める戦術核兵器の演習準備を始めたと発表しています。プーチン氏はウクライナへの軍事支援を再開したアメリカや、支援を続ける欧州各国を『核』で威嚇、牽制しているわけです」(同前)

 

 威嚇や牽制で済めばまだいいが、プーチンは何をするかわからない。実際に核使用に踏み切る可能性はないのか。

 

 筑波大学名誉教授の中村逸郎氏は、2022年9月の本誌の取材に、“最悪のシナリオ”を語っている。

 

「プーチンの頭にあるのは小型戦術核による原発の破壊です。戦術核は、一つの都市を壊滅させるだけの威力があるけれども、原発を攻撃した方がはるかに被害が大きい。

 

 しかし、原発は頑丈に造られているため、通常兵器では破壊が難しい。しかし小型戦術核を使えば、原子炉を破壊して放射性物質を撒き散らしてウクライナ全土を“焦土化”させ、ウクライナ軍を停止させることができます。プーチンは『ウクライナ側による攻撃だ』という嘘を重ねるでしょうが。

 

 実際、ザポリージャ原発が制御不能になった際の放射能汚染のシミュレーションをロシア側から私は入手しましたが、南向きまたは南東からの風の時に爆破させると、ポーランド、ハンガリーもやられてしまい、ドイツにも汚染が及ぶんです。もしザポリージャ原発を戦術核で吹き飛ばしたら、EU含め1千万人以上の被害者が生じるでしょう」

 

 絶対に避けなければならない展開だが、“最後の1発”を前に踏み止まる良識を、あの男に期待できるのだろうか…。

( SmartFLASH )

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