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大阪万博、食の目玉は「くら寿司」と「スシロー」…1970年の万博で世界をあっと言わせた「回転寿司」から進化ゼロ

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.06.13 19:59 最終更新日:2024.06.13 22:52

大阪万博、食の目玉は「くら寿司」と「スシロー」…1970年の万博で世界をあっと言わせた「回転寿司」から進化ゼロ

大阪万博「スシロー」店舗イメージ(プレスリリースより)

 

 2025年に開催される大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。このテーマは「いのちを知る」「いのちを磨く」など8つに細分化されており、そのうちのひとつに「いのちをつむぐ」がある。これは、《「食べる」という行為の価値を考え、日本の食文化の根幹にある「いただきます」という精神を発信》するものだ。

 

 つまり、食は万博の大きなテーマなのだが……。

 

「民間パビリオンは全部で13団体が内定していましたが、そのうち食をテーマにするのは、大阪の飲食店など約500社が加盟する『大阪外食産業協会』のみでした。

 

 

 ところが、コロナ禍で外食産業が壊滅的な打撃を受け、またパビリオンの建設費も高騰するなか、資金難から一時撤退が伝えられたのです。その後、再参入が決定し、2024年1月12日、『新・天下の台所』を掲げるパビリオン『宴~UTAGE~』として起工式がおこなわれました」(経済担当記者)

 

「宴」ではさまざまな和食が楽しめるというが、このほか参入が決まってるのは、「くら寿司」と「スシロー」だ。

 

「くら寿司は2022年、『シグネチャーパビリオン』への協賛を表明しており、『回転ベルトは、世界を一つに。』をコンセプトに『未来の食』を体験できる店舗を開設すると明かしています。

 

 また、6月11日には、スシローが『未来型万博店』を出店すると表明しました。養殖魚を中心にしたメニュー構成で、森の中でも美味しい寿司が食べられるという『未来のすし屋』をイメージしているそうです」(同)

 

 訪日外国人のインバウンド効果もあり、回転寿司チェーン店はどこも業績がいい。そうしたなかでの万博出店だが、Xではしらけた声が聞こえてくる。

 

《とりあえずスペースを埋めるのに必死やな。入場料払ってスシロー行く理由あるか?》

 

《スシローにくら寿司ときたら、次ははま寿司でも出店するのか?もはや万博ではなくアウトレットモールだな》

 

 また、年配と思われるユーザーからはこんな投稿も。

 

《70年万博は初めて見る外国の食べ物も楽しみやったんやけどな》

 

《50年前、大阪万博でお披露目された回転寿司が、ビジネスモデルとして確立され出店する事に意味があるんやけどなぁ》

 

 いったいどういうことか。

 

「実は、1970年の大阪万博で、『元祖廻る元禄寿司』が回転寿司を出店し、あまりのインパクトに世界中があっと驚いたのです。元禄寿司が、関西に回転寿司の第1号店をオープンさせたのは1958年のこと。その後、1970年の大阪万博に出店し、大人気となりました。

 

 元禄寿司の店舗は、人気が高かったアメリカ館やソ連館に近かったこともあり、多くの外国人も訪れ、長い行列ができたそう。その後、回転寿司は低価格・料金明示を武器に、日本の食文化として定着することになりました。

 

 大阪万博は、当時珍しかった外国の食だけでなく、ロイヤルホストやケンタッキーフライドチキンなど、ファミレスやファーストフードという、新しい食文化も日本人に伝えました。

 

 2025年の大阪万博では、回転寿司が『2度めの目玉』になるわけですが、業態そのものは進化していないわけで、かつてほどのインパクトは持ちえないでしょうね」(同)

 

 ちなみに、元禄寿司に聞いたところ、

 

「来年の万博には出店しません。出てくれとの依頼も来ておりません」(広報)

 

 とのことだった。未来の回転寿司が、来場者を喜ばせる趣向になるといいのだが……。

( SmartFLASH )

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