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照ノ富士、体重20kg戻したら「糖尿病」悪化…本誌に語っていた “闘病” 生活「人の3倍努力すると決めた」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.19 18:42 最終更新日:2023.04.19 18:46
4月17日、靖国神社で大相撲春巡業がおこなわれた。コロナ禍のため、2020年以降は中止になっており、奉納大相撲は、実に4年ぶりの復活となった。
4場所連続休場中の横綱・照ノ富士(31)も6年ぶりに参加し、横綱土俵入りを披露。終了後、記者団の取材に応じたが、そこで気になるコメントがあった。「急に(体重を)20キロ戻したら糖尿病が悪化した」というのだ。
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各紙の報道によると、休場した春場所直前に提出した診断書には、両膝のケガに加え、「糖尿病」が加わった。昨年10月に膝を手術した後、負担を減らすため20kg以上も体重を減らした。再び体を作ろうと減量ぶんを戻したところ、糖尿病が悪化したのだという。
これまで本誌は、照ノ富士に何度もインタビューをしている。2015年、最初の大関昇進直前、絶頂だった照ノ富士は、豪快な “夜遊び” ぶりを茶目っ気たっぷりに語っていた。
「お酒? あちこちで飲むよ。千葉、錦糸町、銀座、新宿……。昨日は夜7時から友達と飲みに行って、朝4時半まで。友達は潰れて起きてまた潰れてと、2回も潰れちゃった。僕は『ウコンの力』のおかげで大丈夫!」
その後、不摂生がたたって成績は伸び悩んだ。2020年には、番付を大きく落とした当時の心境を、こう明かしている。
「病気を治しながら、3回めの膝の手術をしたんです。いちばんつらかった。洋式のトイレすら座れない。つねに隣に人がいないとダメで、車椅子生活のようでした。
自分のなかでは、『ケガだけだったら(もっと早く)乗り越えることはできた』と思いますよ。でも病気が重なってくると、体に力が入らないし、ケガの治りも遅くなる」
何度もやめたいと思ったが、痛み止めの注射を打ち、ウエイトトレーニングを続けた。
「『人の3倍努力する』と決めて、鍛えてきました。正直言って、『元大関なんだから戻ってきて当たり前』と、まわりから見られるのは嫌です。誰も見ていなかったけど、この裏には努力があるわけですよ。
いまも自分が満足できる相撲の動きを、1日じゅう考えている。夢に出てくるくらい。
いまの気持ちは『できるだけ、やれるところまでやる』。どんな大横綱や大関でも味わっていない、楽しさや苦しみを味わった。それをプラスに感じて、相撲人生を2度楽しむ感覚でやっていきますよ」
お酒は「もう9カ月、一滴も飲んでいません」と、禁酒を守ったことで糖尿病は改善の兆しが見えたのだが……。
奉納大相撲のあと、照ノ富士は報道陣に「やっぱり糖尿というのは、筋肉がつきづらくなる。力も出にくい」とコメント。今後は「10キロくらい、いったん落として、そこから徐々に時間をかけて戻していく。(以前は)糖尿病の数値を完全にコントロールできるようになってからやり始めたわけで、そういう感じで持っていきたい」と、調整法の一端を明かしている。
角界では「糖尿病は力士の職業病」と言われる。強くなるために太らなければいけないが、ときに命の危険もある。2020年5月に新型コロナウイルス感染で亡くなった勝武士さん(享年28)も糖尿病を患っていた。
現役力士の多くも糖尿病に悩んでいる。本誌取材に、糖尿病で苦労した元力士がこう打ち明ける。
「国技館の地下には日本相撲協会診療所があります。ここには糖尿病の治療薬であるインスリンが大量にあって、本場所中も注射をしてもらう力士が大勢いました」
日本相撲協会は「糖尿病になっている力士がどのくらいいるかは情報開示をしていません」と言うが、年に2回の健康診断などで力士の健康維持に努めているという。
照ノ富士は夏場所(5月14日初日、両国国技館)について、「もちろん出る予定」と語った。早く闘志あふれる相撲を見せてほしいものだ。
( SmartFLASH )