「西武は、対外的なトラブルがあったときには、かりに相手が友人や知人だったとしても、球団に報告するように義務づけています。ところが、山川選手は今回のトラブルを球団に報告していなかったようです。『文春』の取材を受けた後に初めて、球団に連絡をしたようなんです」
そう語るのは、西武ライオンズの内部事情に詳しい、ある関係者だ。知人女性へのわいせつ致傷事件の渦中にある、西武の山川穂高。5月11日に『文春オンライン』が報じると、12日には選手登録を抹消された。
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球団は、登録抹消の理由について「コンディションなど総合的な判断」と発表している。だが今後、知人女性による刑事告発が事件化する可能性が否定できないことから、山川選手に事実上の謹慎処分をくだした、とみる向きもある。この関係者が続ける。
「山川選手の主張は、報じられているとおり『女性に怪我を負わせたことや女性が被害届を出したこと、警察から事情聴取を受けたことは認めつつ、無理やり性行為に及ぼうとはしていない』ということのようです。しかし、すでに警察の事情聴取まで受けていたことを、球団は重く受け止めています。
山川選手はそのことを球団に伝えず、WBCにも出場していました。『文春オンライン』の直撃には『球団にもそれは説明しています』と回答していますが、球団の顧問弁護士も把握しておらず、後手後手の対応となり、警察に下駄を預けるしかない状況です」
山川は、大学時代から交際していたという妻がいる、既婚者だ。妻には知人女性とのトラブルを話しており、家庭内では解決ずみの問題というが、もちろん、強制わいせつ罪での刑事処分の行方はこれからということになる。
「山川選手は社会的制裁を受けていることから、被害女性との和解も含めて、反省の態度を明確にすれば、起訴猶予(犯罪の嫌疑はあるが、起訴しない)となる可能性はあります。しかし、今回の登録抹消は実質的に『今シーズン出場停止』処分に等しい。じつは山川選手は、登録抹消時点で一軍登録の日数があと15日ほどあれば、国内FA権取得の要件を満たす予定でした。
今期の出場は絶望的となると、FA権取得も来季以降になるでしょう。西武ライオンズは、親会社の西武ホールディングスの方針もあって、コンプライアンス違反にはこれまでも厳しい処分をくだしています。もし起訴されれば、判決による事実認定がなくても、解雇は避けられないでしょう」(前出・関係者)
本誌は株式会社西武ライオンズに対し、山川が、警察から事情聴取を受けていることを球団に報告していなかったことについて、事実関係を問い合わせたところ、広報部より以下の回答があった。
「本件は捜査中であり、捜査に支障が生じる可能性も否定できませんので、回答は差し控えさせていただきます」
また、山川に対し、今シーズンの出場停止処分を課すのではないかという問いには、以下の回答だった(質問状は、登録抹消が発表される前に送付したもの)。
「『今シーズン出場停止』の処分を課すことを決定した事実はございません。捜査状況を含めた詳細の把握もできていないため、推移を見守りたいと考えています」
登録抹消後、山川が二軍の練習場に姿を見せたことを、5月14日付の「日刊スポーツ」が報じているが、早期復帰はそう簡単な道ではないようだ。
( SmartFLASH )