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再ブーム「三島由紀夫」楯の会会員に送った遺品は日本刀

社会・政治 投稿日:2017.06.27 16:00FLASH編集部

再ブーム「三島由紀夫」楯の会会員に送った遺品は日本刀

『森田必勝に手渡された日本刀』

 

「今、三島由紀夫が静かなブームを呼んでいます」と、三島作品の好調な売れ行きに、都内の大型書店の店員は相好を崩す。

 

「長編小説『命売ります』(ちくま文庫)が、売り上げ26万部を超えるロングセラーとなって、つねに文庫本ランキング上位にランクインしています」

 

 また、3月から美輪明宏が三島作品を舞台で演じ、5月には、SF小説『美しい星』を実写化した映画が封切りされた。

 

 まさに再ブーム到来中の三島は、生前、愛用していた多くの品々や書を形見分けとして、楯の会の会員に贈っていたという。このたび元会員らが、三島の貴重な遺品を初めて公開してくれた。

 

 三島とともに割腹自決した楯の会・学生長だった森田必勝の生家の仏間には、三島直筆の「武」としたためられた掛け軸と、三島が身近に置いた愛刀が保管されている。

 

1期生の篠原裕氏が述懐する。

 

「先生は『一貫不惑』(一事を貫き通し、迷いなしという意味)という言葉を非常に好んでいました。だから色紙に書いてくれたのですが、この信念があの決起事件を誘発させたのでは、と思うんです。文学作品も行動も、そして生命すらも、決起事件ですべて完結するように、先生は用意周到に準備していたんでしょうね」

 

 最後の会員となった福田敏夫氏が続ける。

 

「持参した2枚の色紙に、私が選んだ言葉をその場でしたためてもらいました。場所は有楽町駅にほど近い月光荘という画廊。 日本刀は楯の会解散式後、三島夫人より連絡があり、ご自宅でいただいたものです」

 

 衝撃の割腹自決から47年。もし、三島が存命であれば、満92歳になる。

 

「あの日、先生は憲法改正や自衛隊の国軍化などを訴えたのですが、鼻で笑う者はいても耳を傾ける者などいなかった。ところが、今国会では盛んに憲法問題が論議され、まさに半世紀前に先生が訴えたことが現実となり、時代がようやく三島精神に追いついたことを思わせます。こうした機運も、三島ブームの要因になっているんじゃないかと思いますね」(篠原氏)

 

(週刊FLASH 2017年6月13日号)

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