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綾瀬はるか『元彼の遺言状』傑作の予感ビンビンも…比較される2作品が強すぎて相対的な弱さが

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.05.16 11:00FLASH編集部

綾瀬はるか『元彼の遺言状』傑作の予感ビンビンも…比較される2作品が強すぎて相対的な弱さが

 

 比較対象となる作品が “強すぎる” ため、相対的に弱く見えてしまう。敏腕弁護士・剣持麗子(綾瀬はるか)が難解な殺人事件などを解決していく月9ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ系)のことだ。

 

 先週月曜に第5話が放送されたこのミステリー作品の評判がイマイチなのである。

 

 まず、綾瀬が主演した連続ドラマ直近3作品の、全話の世帯平均視聴率(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)を振り返ってみよう。

 

 

 2017年の『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)が12.7%、2018年の『義母と娘のブルース』(TBS系)が14.2%、2021年の『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が15.3%。このように、ここ5年のドラマが絶好調の綾瀬が主演とのことで、『元彼の遺言状』はかなり期待値が高かった。

 

 しかし、いざ蓋を開けてみると、第1話の世帯平均視聴率こそ12.1%と好スタートだったものの、第2話から第5話までは10.3%、10.3%、9.0%、8.6%と右肩下がり。

 

 綾瀬主演作の視聴率が一桁台を記録したのは2016年の『わたしを離さないで』(TBS系)以来なので、フジテレビが視聴率女王との呼び声も高かった彼女の顔に泥を塗ってしまった感もある。

 

■綾瀬の前作の主演連ドラは大ヒットミステリー

 

『元彼の遺言状』はそこまで悪いドラマではないのだが、かといって第5話まで観た限り、大絶賛できるほどでもない。

 

 個人的な感想を言うなら、第1話を観終えた段階ではかなりの傑作になる予感がビンビンにあった。タイトルの『元彼の遺言状』にまつわる一連の殺人事件を、最終話までじっくり描いていくドラマだと思っていたからだ。

 

 しかし、元彼の遺言状に端を発した事件は第2話で早々に解決し、第3話以降はタイトルとはほぼ無関係の “1話完結型” の事件解決ものになっている。

 

“1話完結型” が悪いわけではない。けれど、綾瀬のひとつ前の主演連ドラである『天国と地獄~サイコな2人~』が、ひとつの連続殺人事件を全話使って描いた大ヒットミステリーだっただけに、『元彼の遺言状』もそのような作品だろうと期待してしまったのだ。

 

『天国と地獄~サイコな2人~』は、風呂敷を広げすぎて、終盤で話のスケールが尻すぼみになっていたが、謎が謎を呼ぶ展開でつい次週も観たくなる仕掛けが随所にあり、グリップ力の強い作品だった。

 

 綾瀬の主演作として2作連続でミステリーのため、おのずと比較されやすいわけだが、前作が高視聴率で大ヒットだったので『元彼の遺言状』の “弱さ” が際立ってしまうわけだ。

 

■月9の前クールは菅田将暉の大ヒットミステリーだった

 

 2作連続でミステリーというのは、月9という枠で見ても同じことが言える。

 

 今年1月期に月9で放送されたのは菅田将暉主演の『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)。こちらも主に1、2話ごとにひとつの事件が解決されていくスタイルのため、『元彼の遺言状』と作品ジャンルもフォーマットも同じなのだ。

 

 となると、やはり比較されてしまう。

 

『ミステリと言う勿れ』は、変わった性格ながら飛び抜けた観察力や推測力を持つ大学生(菅田)が、事件の謎を解きつつ人の心も解きほぐしていくという新感覚ミステリー。

 

 ストーリーのクオリティが非常に高かったと評判で、何より主人公の大学生のキャラが個性的でとても魅力があった。

 

 ショッキングなシーンや物珍しいトリックで惹きつけるタイプの作品ではなく、主人公が犯人や事件関係者らとじっくり対話する会話劇の要素が強く、斬新な視聴感だった。

 

 一方の『元彼の遺言状』にそういった目新しさは薄く、ミステリー作品としてはオーソドックス。また、剣持麗子という主人公の魅力も、『ミステリと言う勿れ』と比較すると微妙な気がする。

 

 剣持麗子は、圧倒的な法律知識とハッタリを効かせた話術を武器にしたお金大好き弁護士で、どんな相手に対してもものおじせず、どんなあくどい手を使ってでも “勝ち” にこだわるキャラ。

 

 確かにキャラ立ちはしているが、独創的かと言えばそれほどではなく、こういった勝ち気で欲望に忠実な主人公像には既視感もある。『ミステリと言う勿れ』の主人公と比較されると弱く見えてしまうのだ。

 

――比較されるドラマが強すぎるあまり、相対的に残念なドラマに見えてしまう『元彼の遺言状』。今夜放送の第6話以降で巻き返して、二桁視聴率に復帰できるか。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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