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宇崎竜童 一度は諦めかけた音楽の道、阿木燿子さんとの出会い…半生振り返り「100歳になるまで歌う」宣言!

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.09.18 11:00FLASH編集部

宇崎竜童 一度は諦めかけた音楽の道、阿木燿子さんとの出会い…半生振り返り「100歳になるまで歌う」宣言!

1973年に結成されたダウン・タウン・ブギウギ・バンドの初期メンバー。

 

 いよいよ卒業が差し迫った12月、プロダクションを経営していた義兄から「音楽出版を立ち上げるから来ないか」と誘われた。宇崎は出版業務をしながら、新人の指導やバンドのマネジメントをまかされた。

 

「その後は僕自身もプロダクションを設立、バンドを5、6組マネジメントしました。米軍相手だからクリスマスシーズンは忙しくて、依頼を断わることもあったんです。それはもったいないから、僕が知り合いの学生さんたちを集めてバンドを組んで歌いました。これがダウン・タウン・ブギウギ・バンドのスタートです」

 

 バンドはビアガーデンなどで演奏し、宇崎のオリジナル曲も披露した。評判を聞きつけたレコード会社からデビューの話が持ち込まれた。

 

「レコードを出したはいいけど鳴かず飛ばず。さらに1枚めのアルバムは発売禁止。内容が『ヤクザ礼賛』『乱交パーティ』だから仕方ないですけど。その後も2年くらい、ビアガーデンで歌いました」

 

 28歳で『スモーキン’ブギ』がヒット。2枚めのアルバムを出すことになる。しかし12曲のうち4曲がどうしても作れない。阿木に『何か書いてくれない?』と依頼して、渡されたのが『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』だった。この曲から宇崎・阿木は「ヒットメーカー」と呼ばれるようになる。宇崎は、阿木の作詞家としての才能に気づいていたのだろうか。

 

「わからなかったです。ただ、好きな音楽が城卓矢さんの『骨まで愛して』と聞いて『変わった音楽の趣味だな』と思ったことは覚えています。僕たちより感性が大人だったんでしょう」

 

 阿木の詞を見るとすぐに “音” が浮かぶという。

 

「できた詞はどれもこれもほかの人が書かない詞。しかも、新しく書いた詞がいちばんいい詞なんです」

 

 1976年、2人は山口百恵さんに楽曲を提供することになった。最初の曲は大ヒットした『横須賀ストーリー』。

 

「後々に聞いた話ですが、百恵さん自身が僕たちに曲を書いてほしいと提案してくださったようです。セルフプロデュース力がすごい方なんですね。17歳であの歌はちょっとマセているかなとも思いましたが、びっくりしました。詞の咀嚼力、読解力、表現力。どれも素晴らしく、しかも自然体でやっちゃう。あのころはドラマ『赤いシリーズ』の撮影が忙しくてスタジオ入りは深夜。疲れているのに2曲を入れるのに2時間。すごい集中力でした」

 

 百恵さんへの楽曲提供は5年間で69曲にのぼった。

 

 俳優としても活躍の幅を広げている宇崎。初主演は『曽根崎心中』(1978年公開)。最新出演作の映画『アイ・アム まきもと』(9月30日公開)では謎の男を熱演、主題歌も担当している。演技と音楽、共通点はあるのだろうか。

 

「バンドは自分で考えて照明さんや音響さんに『こうしてくれ』とお願いしますが、演技のときは僕に責任がありません。映画は監督に言われるままにやればいいので」と笑うが、じつは「裏方の仕事」を見ている。

 

「美術さんが『そこ、映らないでしょ』というところまで念入りに準備している。その丁寧さに驚かされ、『いい加減な仕事をしていちゃいかんな』と気持ちが引き締まるんです」

 

 まさに「仕事人」である。その宇崎がダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成して来年で50年。宇崎は今、全国を巡り、弾き語りをしている。

 

「うまいプレイヤーたちに囲まれてきっちり構成されたコンサートもやります。だけど一人で演奏する弾き語りは逃げも隠れもできない。誰も助けてくれない。でも追い詰められることで生まれる発想もある。それが楽しいんです。『宇崎の歌が聴きたい』という声をいただければ、『お前はいつまで歌うんだ』と自分へ問いかけながら伺います。いつまで歌うのか? 100歳まで生きますから(笑)」

 

うざきりゅうどう
1946年生まれ東京都出身 1973年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成してデビュー。『スモーキン’ブギ』『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』などのヒット曲を生み出す。俳優としても映画『曽根崎心中』(1978年)、『TATTOO[刺青]あり』(1982年)に主演するなど活躍している

 

【ルイ プリマ】
住所/東京都港区赤坂8-12-12 赤坂アンドロン1F
営業時間/平日ランチ11:30~14:15(L.O.13:50)、
ディナー18:00~23:00(L.O.21:30)、土曜日18:00~22:00(L.O.21:00)
定休日/日曜・祝日

 

写真・野澤亘伸

( 週刊FLASH 2022年9月27日・10月4日合併号 )

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