■ “ブレない” 出川哲朗が救ってくれた
2016年に現役引退後はタレントに転身。いまやバラエティに引っ張りだこの売れっ子だ。
「なんでタレントに? とよく聞かれますが、子供のころからバラエティが大好きで、(明石家)さんまさんが大好きだったんです。『あっぱれさんま大先生』をよく観ていて、さんまさんは本物の学校の先生だと思っていて、こんなにおもしろい先生がいるんだ! って。そうしたら友達が『さんまさんは芸人さんという職業らしい』と教えてくれて、初めて聞いた『芸人さん』はどんな仕事をする人なんだろうと興味を持ちました。一度にみんなを笑わせる芸人さんの才能とセンスはすごいなと思って、いつかこんな人たちと仕事がしてみたいと思いながら、サッカーをやってきました。だからバラエティに出たいと思って選んだ道なんです」
丸山は子供のころからのもうひとつの夢をかなえたが、まわりの目は厳しかった。
「めちゃくちゃ文句も言われたし批判もされました。そんなとき出川(哲朗)さんと共演していろいろお話をしたら『俺はやることはマジで変えてないんだよ。自分がブレないことがすごく大事だよ』って。出川さんは『抱かれたくない男』なんていわれた時期もありましたが、自分がこうだと決めたこと、やりたいと思ったことはブレずにやり続けることが大事なんだと。これまでを振り返ると、こうしたいと思った道を選んだら逆境だったりしたけど、そこに立ち向かうことでパワーに変えてきたというか。まわりの人たちに恵まれ、支えてもらってきたと思います。これからは出川さんみたいにブレない人になりたいなと思っています」
サッカーとバラエティは似ているとも話す。
「サッカーはチームプレーですが、バラエティも皆さんが私の話をきちんと聞いてフォローしてくれたりするのでチームプレーだなって思うんです。チームで作り上げてみんなで勝ちを目指す点はよく似ていると思うので、すごく好きだなって思いますね」
丸山の伴侶は元サッカー日本代表GKの本並健治だ。
「(チームで)監督と選手の間柄だったころは、こんなに怒られたのは初めてというぐらいすっごく怒られたんです。『何この人』ってムカついてました(笑)。でもお互い引退して、2人で子供のサッカー教室をやるようになってから距離感が変わってきて。私が一人で教えなくちゃいけないときに本並さんに電話で相談したら、(助言が)どうも理解できなくて。それで会って話そうということになって、イタリアンを食べに行ったんですね。そのときに本並さんが頼んだピザを1枚丸ごと手で持ってバクッと食べたんですよ。その瞬間『この人すっごくカッコいい!』って好きになっちゃった。でもいくらアプローチしてもゴールキーパーだからか守備が堅い(笑)。こんなガードが堅い男性がいるのかと、心が折れました」
2人が会う定番コースは緑道の散歩。それでもアタックを続けた丸山はある日「私たち、つき合ってるのかな?」と切り出した。
「そうしたら『そりゃそうやろ』って。もうびっくりして『お互い告白とかしてないのに?』と聞くと『お互い好きで会っているんだから、大人はそういうもんやろ』って。それからお互いの家を行き来するようになりましたが、それまでは緑道でしか会ってなかったんですよ」
そんな2人の間には来春、子供が誕生する。やはり将来はサッカー選手に?
「サッカーの厳しさを経験しているので、自分の子供にはつらい思いはさせたくないなって。でも本人がやりたいと言ったらやらせます。2人ともチーム競技しか経験がないので、自分だけで勝負できる個人競技、ゴルフとかをやらせたいですね。でも、本並さんはモデルにしたいらしいです(笑)」
まるやまかりな
1983年3月26日生まれ 東京都出身 2002年のアジア大会の北朝鮮戦でサッカー日本女子代表デビュー。以降、代表に定着し2011年W杯優勝、2012年ロンドン五輪銀に貢献。2016年に現役を引退。現在はタレントとしてバラエティ番組などで活躍。2020年に元サッカー日本代表の本並健治と結婚、来春にはママに
【中華料理 喜楽】
住所/東京都大田区大森北1-7-4
営業時間/11:45~14:00、17:00~21:00
定休日/日曜日
写真・野澤亘伸、アフロ