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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』えなりかずきさんーー初対面から28年……あの “クリクリ坊主” が髭を剃る立派な役者に成長

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.09.02 08:00FLASH編集部

坂本冬美の『モゴモゴ交友録』えなりかずきさんーー初対面から28年……あの “クリクリ坊主” が髭を剃る立派な役者に成長

えなりかずき、坂本冬美

 

 人は思いがけないものを見たとき、知ったとき、聞いたとき、やや眉が上がり、目と口が丸みを帯びます。

 

「もう、ビックリしちゃったわよ」

 

 目を丸くしてそうおっしゃったのは、プロデューサーの石井ふく子先生です。

 

「楽屋の前を歩いているとき、髭を剃る音が聞こえてきたから、誰だろうと思って覗いてみたらーー」

 

 それが、なんと、えなりかずきくんだったというのです。

 

 

 1984年11月9日生まれのえなりくんは、現在38歳。もう、立派な大人です。

 

 髭が生えてくるのも、髭を剃るのも当たり前の年ですが、クリクリ坊主のころからよく知っていらっしゃる石井先生にとっては、驚き以外の何ものでもなかったのでしょう。えなりくんには失礼ですが、わたしも石井先生に一票です(笑)。

 

 わたしが初めてえなりくんに会ったのは、1995年にNHKで始まった江戸を舞台にしたバラエティ番組、伊東四朗さんが座長を務められた『コメディーお江戸でござる』の現場でした。

 

 えなりくんは小っちゃいのに、セリフもお芝居も完璧で。当時は、わたしもまだ若かったものですから、えなりくんを見る目は、自慢の息子を見るような感覚でした。

 

 あれから、うん十年。今春、TBSで放送された『ひとりぼっち-人と人をつなぐ愛の物語-』でご一緒したえなりくんは、声や顔はあのころのえなりくんのままですが、礼儀正しい青年に成長し、同時にいい役者さんになっていました。

 

「なんか、ドキドキしてきちゃったんだけど……」

 

 本読みの段階から、緊張で固まるわたしに、「大丈夫ですよ、冬美さん」と、にっこり微笑みかけてくれたのもえなりくんです。

 

 清水の舞台から飛び降りる覚悟で出演した『オールスター感謝祭2023春』(TBS系)でも、「えなりくんだけが頼りだからね」「頼むからね」「信じていいわよね」と、何度も何度も念を押すわたしに、その都度「大丈夫です。僕がついていますから」と、にっこりと優しい笑顔で接してくれて。どれだけ心強かったことか。えなりくんには感謝しかありません。

 

ーークイズ番組に、そんな大袈裟な……。

 

 そう思う人もいるでしょう。でも、だけど、しかしーー。

 

 わたしにとってクイズ番組は鬼門、嫌な思い出しかありません。

 

 最初は、デビュー間もないころに出た『クイズダービー』(TBS系)という番組でした。

 

ーー体のある部分が伸びすぎて困っている女性がいます。そのある部分とは?

 

 普通は、髪の毛とか爪を連想しますよね。でも、なぜかそのときわたしの頭に浮かんだのは……「わき毛」と解答した瞬間、一緒に出演していた師匠・猪俣公章先生が、顔を真っ赤にして「バカ、お前恥ずかしいだろう!」と、狼狽(うろた)えていたのを思い出します。

 

 とどめは31年前、181人の芸能人が参加した『オールスター感謝祭1992秋』でした。

 

 1回めの中間発表で、見事? 最下位。そのとき、司会の島田紳助さんの口から日本中に流れたのが……「全国の皆さん、坂本冬美はバカです」という言葉でした。もう、です。最悪です。「二度とクイズ番組には出ない!」。誓いを立てたのはこのときでした。

 

 今回、クイズの問題が出てから答えるまで、わずか10秒ほどしかなく、自力でなんとかするしかありませんでしたが、参加者60数名中47位。今田美桜さんのひとつ下、大泉洋さんの3つ上。ほっと胸を撫で下ろしましたが、それもえなりくんがわたしの斜め後ろで、ニコニコ笑っていてくれたおかげです。えなりくん、本当にありがとう!

 

さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!


写真・中村 功 
取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2023年9月12日号 )

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