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無断で公表されたHEATHさん急逝、“最後の願い” は踏みにじられた! X JAPAN関係者は「“犯人” はほぼ特定できている」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.12 06:00 最終更新日:2023.11.12 06:00
11月初旬、都内の繁華街のホールにある小さな安置室。祭壇のいちばん上には、HEATHさんが気に入っていた横顔の写真が飾られていた。『ENDLESS RAIN』演奏時のワンシーンだ。
数百本の赤いバラが敷き詰められた祭壇には、愛用していたHEATHモデルのベースが1本。この場所を訪れ、HEATHさんの亡骸と対面したのは、X JAPANのYOSHIKI(年齢非公表)、Toshl(58)、PATA(58)、SUGIZO(54)のメンバー4人と、わずか数人の関係者のみだった。
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「生きているうちに会いたかった……」
誰もが同じ思いを抱え、言葉にした。10月29日、X JAPANのベーシスト・HEATHさんが、大腸がんのため亡くなった。55歳だった。
その死については、遺族とメンバーが相談のうえ、しかるべきタイミングで公表するはずだった。大きな混乱を招かぬよう、遺族が望む形でHEATHさんを送り出したいというのが、関係者全員の意向だった。
「しかし11月9日、『女性セブン』が、HEATHさんの死を報じたのです。死をしばらく公表しないことは、HEATHさんの遺族や、ほかのメンバーの希望でした」
こう憤るのは、HEATHさんに近く、一連の事情を知るある音楽関係者だ。
「しかも、『女性セブン』の記事は事実誤認と憶測が多く、メンバーや関係者は悲しみ、リークした “アイツ” に、怒りを覚えています」(同前。以下、特に注記がなければ同じ)
「女性セブン」では、HEATHさんは2023年に入ってから体調が優れない日が続いたこと、秋に検査を受けてがんが見つかったが、すでに数カ所に転移しており、メンバーに知らせる余裕がなかったことを報じている。
「実際には、HEATHさんのがんは、6月上旬に病院で検診を受けた際に偶然見つかったのです。転移はしておらず、自覚症状もなかったため、本人はこの時点では、半信半疑でしたね」
がんを患っていることをメンバーに知らせなかったのは、HEATHさんの強い思いからだった。
「HEATHさんは、自分が常に『HEATH』であることにこだわっていました。スタイリッシュで美しく、カッコいいベーシスト。だから、たとえ長年苦楽を共にしてきたX JAPANのメンバーにさえも、がんと闘っている姿を見せたくなかったのです」
X JAPANに1992年に加入したHEATHさんが、プライベートを明かすことはほぼなかった。
HEATHさんは贅沢を好まず、自宅とプライベートスタジオを往復する日々を送っていたと、生前に親交のあった音楽ライターが語る。
「自作のスタジオは、広くはありませんでしたが、1970年代、1980年代のエフェクターがラックに整然と並んでいました。また、ギターとベースには埃ひとつありませんでした。HEATHさんは、このスタジオに数日間こもることも珍しくなく、基礎練習を繰り返していると語っていました」
密かに闘病生活を送っていたHEATHさんのもとに、YOSHIKIのディナーショーへのゲスト出演のオファーが届いたのは、8月上旬のことだった。再び前出の関係者が語る。
「いつもなら出演を快諾したでしょうが、このときのHEATHさんは、自分の体調を見極めるために即答を避けていました。観客の前で100%のパフォーマンスができるのかと悩みに悩んだ末、出演を決めました。ステージでベースを弾きたいという強い思いと、なによりYOSHIKIに声をかけてもらったことが嬉しかったようです」
8月20日、グランドハイアット東京(港区)でHEATHさんは、YOSHIKIとともに代表曲の『Rusty Nail』を披露した。これが、HEATHさんの観客を前にしての最後の演奏になった。
10月、担当の医師はHEATHさんに「自分らしく生きてください」と告げたという。残された時間は限られていたが、HEATHさんの生活は、何も変わらなかった。
「痛みを抑えるために薬を飲んでいましたが、ベースを弾き、曲を作り続けていました。彼は、人生の最後まで『HEATH』であり続けたのです」
YOSHIKIが《身内に不幸があり、自分の判断で急遽日本に戻って来ました》と、インスタグラムに投稿したのは11月3日だった。
「女性セブン」では、メンバー同士が亡骸との対面に訪れる時間がバッティングしないように、関係者らが “睨み合い” ながら対面時間を決めたと報じている。
「それも違うのです。『YOSHIKIはいつ来るのか?』と、メンバーの訪問時間を気にしていたのは、Toshlさんサイドだけです。関係者が対面時間を管理していたという事実はありません。YOSHIKIさんが夕方に到着することを知り、Toshlさんは同日の午前中に安置室を訪れ、1時間以上滞在し、HEATHさんと対面して号泣していたようです」
この関係者は、「女性セブン」に情報をリークした人物について、ある程度特定できていると語る。
「今回の訃報を知っていたのはメンバーのほか、わずか数名です。記事に出ている情報は断片的で、全体像を掴んでいる人間なら考えられないデタラメが混じっています。記事が出るタイミングなどを考えると、Toshlさんの周辺にいる “ある人物” が漏らしたとしか考えられないのです」
なぜ、その人物はセンシティブな “メンバーの死” をリークしたのだろうか。
「ファンに対して、『X JAPANの活動が滞っているのは、YOSHIKIのせいだ』と言いたいわけです。
『女性セブン』には、YOSHIKIさんが統括する会社がToshlさんと金銭トラブルを起こしていること、7月にリリースした新曲についてメンバーが直前まで知らされていなかったことなど、一方的な主張に誌面の多くが割かれています。
メンバー間に溝が生まれているというのも大嘘。HEATHさんの死を利用したのは許せません」
11月11日、HEATHさんの公式ホームページに、「皆様へ大切なお知らせ」という文章がアップされた。
そこには、《ご遺族の意向に沿い、葬儀後に皆様へのご報告を予定しておりましたが 一部メディアでの報道により、急遽予定から前倒す形でのお知らせとなりました》と、リークに翻弄された無念さが綴られている。
X JAPANの再始動を願っていたというHEATHさんの遺志は踏みにじられ、真逆の方向に歪められてしまった。