「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/スリーセブンさん(51)会社経営】
50歳を過ぎて趣味を持とうと、地元の俳句サークルに入ったが、季語ばかり気になって、うまくいかない。サークルの若い女性にもウケる、良い句をひねり出すコツを教えてください。
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【山口先生のお答え】
俳句ですか? 良いご趣味ですねえ。私もいま少し時間が出来たら、俳句か短歌、どちらかを勉強したいと思っているんです。
というわけで、まったく俳句素人の私に、上手な俳句の作り方のアドバイスを求められても困るのですが、もしスリーセブンさんのお悩みの主眼が「サークルの若い女の子にウケたい」にあるなら、答えは簡単です。聞き上手、褒め上手になれば良いんです。
俳句サークルに限らず、カルチャーセンター的な趣味の集まりに通う女性にとって、一緒にいて楽しい相手は「他を圧倒するような実力の持ち主」ではないです。むしろそういう人は天狗になっていて感じ悪かったりするものです。
では、老若含めてどのような男性の好感度が高いかといえば、こちらの話にじっくりと耳を傾け、ことある毎に褒めてくれる人です。この世に褒められるのが嫌いな人はいません。大いに褒めてあげましょう。
俳句の世界でプロを目指しているなら別ですが、趣味に留めるなら、リラックスして和気藹々とやるのが一番ですよ。季候の良いときに、皆さんで吟行なんか如何ですか?
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中