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JR東日本が「QRコード改札」導入へ…コスト削減が目的も「キセル増加」の可能性も
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.20 11:00 最終更新日:2022.11.20 11:00
11月8日、JR東日本が、2024年度下期から、順次QRコードで改札を通れる自動改札機を導入すると発表した。
同社のサービス「えきねっと」でチケットを購入し、QRリーダーを搭載した新型自動改札機にQRコードをかざすことで、券売機や窓口を経由せずに電車に乗ることができるようになるという。
その背景には、コスト削減という鉄道会社の大きな目的がある。鉄道ジャーナリストの枝久保達也氏に話を聞いた。
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「JR東日本のリリースによると、首都圏ではICカードの割合が95%になっているものの、まだまだ切符は生き残っているのが現状です。
実は、切符を通す自動改札機は維持費が多くかかるんです。そのため、切符が主流の地域でもなるべく早くIC化したいところですが、けっこうなコストがかかってしまうんです。
しかし、QRコードなら、ICカードの自動改札機より、はるかにコストがかからないのです」
沖縄都市モノレール「ゆいレール」では、すでにQRコードを使った自動改札が導入されている。機械に切符を通さず、かざすだけなので、「紙詰まり」などのトラブルが回避できるのだ。
「JRでも、将来的にそのような形式を取るかもしれません。いずれにしても、QRコードだけになるわけではなく、チケットレス化へ向け、新たな改札の形が追加される、というイメージではないでしょうか」
ただ、今回の発表でひとつ気になるのは、自動改札機を設置していない駅についての対策だ。
同社では、現時点で「お客さまご自身でアプリ上にて利用開始・終了していただく方法を検討しています」としているが、ネットでは、「自己申告でいいならキセルする乗客が増えるのでは」と指摘する声もある。
このことについてJR東日本の広報に聞くと、「サービスの開始がまだ先になるので、具体的な運用は検討している段階です」との回答だった。
ちなみに、現在、航空機はQRコードで乗れるが、iPhoneをバーコードリーダーにかざした場合、Apple Payが起動してなかなかチェックインできないことが頻発している。それもあってか、SNSでは《改札が渋滞する未来しか見えない》と否定的な意見も見られた。
改札前の渋滞は避けたいところだが、そのうち鉄道も切符のない完全「ペーパーレス」の時代になるのだろう。
( SmartFLASH )