新型コロナウイルスの影響でガイドブックの売り上げが前年比9割減を記録。40年続く『地球の歩き方』は未曾有の危機をどうやって乗り越えたのか? 完全復活ドキュメント!
2020年9月、『地球の歩き方』として初となる本格的な国内向けガイドブック「東京」を発売した。「赤字覚悟」という編集長の思惑は外れた、ガイドブック「東京」は、10万部の大ヒットを記録した。
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さらに、コロナ禍から生まれた『地球の歩き方』の新機軸が、『図鑑シリーズ』だ。
世界各国の歴史、文化、グルメなどを40年以上徹底取材し続けてきた『地球の歩き方』編集部。その膨大なアーカイブからテーマごとに再編集した『図鑑シリーズ』は、視点の新しさもあり、累計35万部を記録した。『世界の魅力的な道178選』『世界の麺図鑑』『世界の美しい古都』など、この2年ほどで27点発行され、ヒットしている。
出版編集室プロデューサー・福井由香里さんに話を聞いた。
「図鑑シリーズの選定基準は『ひとつのテーマで100カ国以上あるかどうか?』なんです。世界のパンダ、世界の火山、世界の地層、世界の餃子……。100に届かず、ボツになった企画はたくさんあります」
なかでも、『世界のグルメ図鑑』の「世界の珍料理」は食文化の違いが一目でわかると人気だ。
「『食べるぞ!世界の地元メシ』というフェイスブックのコミュニティから生まれた『世界の地元メシ図鑑』も 、口コミが原点の『地球の歩き方』らしい図鑑になったと思います。中国のたこ焼きにエビフライがのってるなんて、知ってました?(笑)」
写真・木村哲夫