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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』徳川家康が健康で長寿だった7つの理由

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.30 06:00 最終更新日:2023.01.30 06:00

樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』徳川家康が健康で長寿だった7つの理由

爽やかに起床する女性(イメージ)写真・AC

 

■(四)規則正しい生活

 

 家康の一日については、『江戸時代図誌』(赤井達郎著、筑摩書房)に詳しく記述されています。

 

 それによると、朝6時に起床し、洗面。紋服着用後、仏前で礼拝し、その後、髪を結う。御典医数名の健康診断ののち、8時ごろに朝食。午前中は経書講読、武術修練。正午に昼

 

食。終わって休息の間で政務にあたる。夕刻は余暇があれば謡曲、乗馬などを楽しみ、入浴して午後6時に夕食。以後若干の事務処理をおこない、午後9時には寝所に退いた、とのこと。早寝早起きを基本とし、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるなど、非常に規則的な生活を送っていたことがわかります。

 

 就寝・起床時間がバラバラ、夜更かしなどの不規則な生活習慣は、体内時計が乱れるので健康によくありません。規則正しい生活が健康長寿をもたらすことを、健康オタクの家康はおそらく知っていたのでしょう。

 

■(五)睡眠時間はたっぷり

 

 家康は6時に起床し、夜9時に寝室に退いた、とあることから、寝室にいる時間は9時間になります。将軍ともなると夜のお仕事も大切なので、毎日9時間睡眠をとっていたわけではないでしょうが、それでも十分な睡眠時間をとっていたことは間違いないでしょう。

 

 ちなみに、家康には16人の子供がいて、最後の子は家康が66歳のときの子ですから、かなりの精力、体力だったといえます。

 

■(六)毎日の運動習慣

 

 家康は、武術の達人であり、剣術、馬術、さらには砲術にも秀でていました。徳川家といえば、柳生新陰流。先述の一日のスケジュールにも、午前中に武術修練の時間がとられていますから、毎日の運動習慣があったことになります。

 

 また、家康は鷹狩りを好み、70代になっても続けていました。鷹狩りは軍事教練としての側面もあります。70代で、20kg以上もある甲冑(かっちゅう)を着て、野山を馬で駆け巡っていたわけですから、すごい体力です。

 

■(七)好奇心旺盛

 

 好奇心旺盛で新しいもの好きであった家康は、八丁味噌、奈良漬、わさび、折戸なす、草加煎餅、佃煮など日本各地の健康によいもの、美味しいものを発掘しています。

 

 同じことを同じように繰り返すだけでは、脳は退化します。新しいことや新しいものに興味を持つと、脳内物質のアセチルコリンが分泌されますが、認知症になると、その分泌量が低下します。新しいもの、新しいことへの興味や関心、そして新しいことへの挑戦は、脳を若々しく保つのです。

 

 拙著『3つの幸福』(飛鳥新社)では、セロトニン的幸福(健康の幸福)、オキシトシン的幸福(つながりの幸福)、ドーパミン的幸福(成功、達成の幸福)のバランスが重要であると強調しました。あらゆる健康習慣を取り入れていた家康のセロトニン的幸福は盤石。そして、正室2名、側室16名、実子16名と子だくさんの家康は、オキシトシン的幸福にも満たされていたはず。さらに、天下人になることでドーパミン的幸福も手に入れているのです。

 

 健康を犠牲にしてまで仕事に熱中してしまいがちな今の日本人ですが、その仕事で目標を達成し、成果を上げるためにも、まずは「健康」を盤石にすべきでしょう。天下人、家康の健康法は、現代にもそのまま通じるはずです。

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計60万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

( 週刊FLASH 2023年2月7日号 )

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