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市場規模は300億円!今さら聞けない「恵方巻」の起源…太巻寿司に名付けたのはセブン‐イレブン
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.03 06:00 最終更新日:2023.02.03 06:00
全国的に認知されている習わしだが、浸透したのは意外と最近ってご存知だろうか?恵方巻の起源とルールを学んで、今年の福を呼び込もう!
■市場規模は300億円超恵方巻の起源を知る
【関連記事:「節分に恵方巻」を広めた男たちを総直撃「始まりは1932年」】
マグロ、サーモン、ホタテ、鯛、たらばがに、いくら、高級焼き肉やとんかつ、ロールケーキもある……。現在、有名百貨店が取り扱う「恵方巻」は100種類以上あり、市場規模は300億円を超えるという。
すっかり節分の定番になった「恵方巻」だが、意外とその歴史について語れる人は少ない。そこで、和文化研究家で「All About 暮らしの歳時記」でガイドを務める三浦康子さんに徹底解説してもらった。
「『恵方巻』の起源、発祥には諸説がありまして、不明な点も多いのですが、有力な情報をおおまかにまとめてみると、どうやら発祥は大正時代。大阪の船場などの旦那集が花街で節分の時期にお新香を巻いた海苔巻を恵方に向かって食べて縁起を担いでいたそうです。文献などが残っているわけではありませんが、大正時代に大阪で発祥したのは確かだろう、ということです」
恵方巻に関する文献や資料はあるのだろうか?
「昭和初期から中期にかけて、大阪の海苔や寿司の組合が『節分に恵方を向いて巻き寿司を丸かぶりするとその年は幸運に恵まれるという習わしが昔からありました』という趣旨のチラシを配布して販促に努めました。そのチラシが最古のものといわれています」(前出・三浦さん)
関西圏の海苔店と寿司店が巻き寿司を売るために、「食べたら縁起がいい」と一大キャンペーンをおこなったのだ。
「30年ほど前、私が大阪へ行ったとき、寿司店に『丸かぶり寿司あります』とか『幸福巻あります』などの張り紙があったんです。それが現在の恵方巻だったんですね。私も当時はそんな大阪の節分の風習を知りませんでした」(同前)
寿司店で販売されていた太巻は、1983年にファミリーマートが大阪と兵庫で販売を開始。1989年にはセブン‐イレブンも広島で販売した。セブン&アイ・ホールディングス広報センターによると「関西を中心に恵方巻の文化があったことや広島県の加盟店オーナー様からのご提案をいただいたことなどから、広島県の一部で販売を始めたという記録があります。使用していた具材などの明確な記録はありませんが、一般的なサイズの太巻を1本そのまま切らずに提供する商品で、具材の品目は5品でした」とのことだ。
太巻寿司に「恵方巻」と名付けたのは、セブン‐イレブンだった。そして1998年、全国のセブン‐イレブンの店舗で「恵方巻」が販売された。
「セブン‐イレブンが大々的に宣伝をして、大手スーパーやデパートも追随して、メディアもあちこちで取り上げるようになって、恵方巻は一気に広がっていきました。こういった行事や文化のもとをただせば神事であることが非常に多いのですが、恵方巻に関してはもともとイベント的な要素が強いんです。ハロウィンのように文化の根本がないものはバリエーションがつけられます。ですので、食材なども自由なんですね。私も市場調査を兼ねて今風の『カツ』の恵方巻を食べることもあります」(同前)
恵方巻にどんな願いをこめたらいいのだろうか?
「節分は新しい年に向けての年越し行事になります。ですから、この一年にフォーカスして目標や願い事を考え、それを祈願しながら食べていただければ、よりよいと思います」(同前)
恵方巻のルールを楽しみながらマスターして、福を呼び込もう!
◎意外と最近?恵方巻の歴史
<大正初期>
このころ、大阪の花街で、節分の時期にお新香を巻いた海苔巻を恵方に向かって食べていた
<1932年>
大阪鮓商組合が「節分の日に丸かぶり」と書かれたチラシを配る
<1973年ごろ>
大阪海苔問屋協同組合が「節分の夜の丸かぶり」に関するチラシを寿司店に配る
<1977年>
大阪で開催された「海苔祭り」で「巻き寿司早食い競争」がおこなわれた。これをきっかけに全国の「海苔祭り」で「節分の丸かぶり」が宣伝される
<1983年>
ファミリーマートが大阪、兵庫で「太巻」の販売開始
<1998年>
セブン-イレブンが太巻の全国発売にあたり「恵方巻」を商品名に採用
モデル・橘舞(たちばなまい)
1995年4月15日生まれ 昨年7月にミスヤングアニマル2022の審査員特別賞を受賞。今年ミスFLASH2023に選ばれた。「恵方巻は物心ついたときから食べています! 今回撮影で恵方巻をたくさん食べられて幸せでした!」
写真・岩松喜平