柿の葉寿司に代わる新名物に「いくらタワー」はどうだ！47都道府県「ご当地回転寿司店」【近畿編】

 

　大手チェーンが相次いで見舞われた “寿司テロ”。連日、テレビに出演し、業界を励まし続けてきたのが回転寿司評論家・米川伸生（のぶお）氏（56）だ。

 

　自動化された気楽な店もいいけれど、目の前で職人が地魚を握る、地域密着の店もまたよし。“地元民がこっそり通う” 名店と、その時季にその土地に行かなければ食べることができない「ご当地回転寿司【近畿編】」を、全国5000軒以上の店を回った米川氏が紹介する！

 

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　伊勢エビで有名な三重からは、その名も風雅な「活ひおうぎ貝」を。「鈴木水産」（明和町ほか）には伊勢志摩の地魚が揃っており、海女さんが獲ったウニや貝などをいただけることも。

 

　回転寿司が世に誕生したのは1958年のこと。東大阪の「元禄寿司」からすべてが始まった。回転寿司発祥の地・大阪はいまも「スシロー」、「くら寿司」が本社を置くなど激安回転寿司の聖地として君臨している。

 

　そんな大阪で紹介するのは、関西ならではの「鯛皮湯引き」。鯛の皮をも美味しく食べようというSDGsな寿司で、「喜楽」（高槻市ほか）では、さっとしゃぶった状態で提供してくれる。

 

　古都・京都の回転寿司熱はいまひとつだが、そんななか京都駅構内の「寿しのむさし」（京都市）は、インバウンド客で賑わう人気店。かつては「ぶぶ茶漬けの寿司」なんてのもあったが、オーソドックスな「バッテラ」の味は鉄板だ。

 

　滋賀といえば、琵琶湖の特産品である「鮒寿司」を思い浮かべる方も多いかと思うが、「海座」（彦根市ほか）では押し寿司が大人気。穴子、鰻、鯖など6種類あるが、見目麗しき「真鯛の押し寿司」を。

 

　和歌山の人気店・「とれとれ市場」（白浜町）は、観光客でいつも賑わっている。和歌山産が市場を席巻する高級魚・クエや真鯛、ご当地寿司の「めはり寿司」が安価に楽しめる「和歌山三種盛」は、地元ならでは。

 

　奈良には「柿の葉寿司」という全国的にも有名なご当地寿司があるものの、回転寿司では見かけない。それならば、「さんきゅう」（御所市ほか）の「はみ出し巻」が新名物になってもおかしくはない。「はみ出し鉄火」は、鉄火巻からネタが大きく飛び出したインパクトに、ついスマホを起動してしまう。“映え” でいうなら、「海鮮いくらタワー」もどうだ！

 

　兵庫の名物は神戸牛だけじゃない！　明石の真鯛やタコも大人気の食材。「たいの鯛」（たつの市ほか）では、この真鯛を活〆、ネギ塩炙り、梅しそ巻の三貫にした「鯛三昧」が看板の一皿だ。

 

※価格は2023年3月28日現在、すべて税込み。今回、紹介する「ご当地寿司」には、数量や提供季節が限定される商品も一部、含まれます。

 

文・回転寿司評論家・米川伸生

 

　1999年から評論家活動を始め、2007年『TVチャンピオン2「回転寿司通」選手権』（テレビ東京系）で優勝。メディア出演、セミナーや講演、メニュー開発など、幅広く回転寿司に携わる

( 週刊FLASH 2023年4月11日号 )