「たしかに、私のツイッターには、『株価が下がっているけど大丈夫ですか?』『一回、売ったほうがいいですか?』と、1日に20件ぐらい、心配するメッセージがきています」
そう苦笑するのは、過去に本誌で「ほったらかしで資産2倍」の投資法を伝授してくれた、横山光昭氏。この投資法は、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を毎月積み立てで購入するだけの簡単なもの。そして、購入した投資信託は、複利効果を狙い、長期で保有するのが基本スタンスだ。
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だが今、「新型コロナウイルス」の感染拡大により、世界各国で株価が暴落し、日経平均株価は、2月末には一時期1000円超も下落した。米ニューヨーク株式市場でも、「ダウ工業株30種平均」が一時1000ドル超も下落。2008年のリーマン・ショック以来の下げ幅を記録している。
横山氏が保有している投資信託の評価額も下落し、「2002年時から2倍になった資産が、20%ほど目減りした」という。冒頭の相談メッセージのように、不安になってもおかしくない状況だが……。
「でも、私は、『超ラッキー! もっと下がれ』と思って(今の投資信託の)価額を見ています。というのも、今の市場は、よい投資銘柄をバーゲン価格で買い増す『チャンス』だからです。
通常は『定額積み立て』が基本ですが、こういう局面では『スポット購入』も検討してほしい。つい最近、10人ほどで開いた勉強会でも、『いまこそ買い増したい』という人が多かったです。
とくに、まだ投資を始めていない人には、『今こそ、ほったらかし投資を始めるタイミングです』と自信を持って言えます」(横山氏、以下同)
横山氏にとっては、株価の大暴落が起きたリーマン・ショックでさえ、投資人生における「成功体験」にほかならない。2002年から投資を始め、2割ほど利益が出たところで、リーマン・ショックに見舞われ、「資産が6割も減少する目に遭った」のに、だ。
「さすがに暴落した当初は焦って、他人に投資のアドバイスはできなくなりました。
でも自分では、『これは世界的な投資銀行が破綻したことでの、一時的なショックにすぎない』と分析できていたので、保有していた投資信託を売らずに、逆に思い切って買い増したんです。そうしたら、少しずつですが評価額が戻り、さらに上昇しました。
2010年のギリシャショック、2011年の東日本大震災で少し落ち込みましたが、以降は右肩上がりで、2019年末には、17年かけて積み立てた額が、2倍に増えました。投資額1000万円とすると、倍の2000万円以上になったということです。
あとでわかりましたが、リーマン・ショックで株価が暴落したときに投資信託を売らずに買っていた人ほど、いま資産額が伸びているんです。大きくジャンプするためには、しゃがみこむことが必要なんです」