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「猿之助の代役」で注目される中村壱太郎 「ART歌舞伎」を仕かけた若手実力派は扇千景さんの孫

芸能・女子アナ 投稿日:2023.06.17 18:37FLASH編集部

「猿之助の代役」で注目される中村壱太郎 「ART歌舞伎」を仕かけた若手実力派は扇千景さんの孫

2022年8月、父の中村鴈治郎(中央)らとともに「大阪文化芸術創出事業」の会見に出席した中村壱太郎(右端)(写真・共同通信)

 

 5月18日に東京・目黒区の自宅から市川猿之助が救急搬送されてから1カ月が経とうとしている。警視庁の捜査が続く中、松竹が、猿之助が出演予定だった歌舞伎公演を、10月まで休演すると発表した。

 

 明治座で5月に上演された「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の昼の部『不死鳥よ 波濤を越えて』で猿之助の代役を務めて注目されたのが、九代目市川中車こと香川照之の長男・五代目市川團子(だんこ)だ。彼のみごとな演技に“團子フィーバー”が起き、チケットは最終公演まで完売状態となったが、新たな“代役”にも注目が集まっているという。

 

 

「現在、歌舞伎座で上演されている『六月大歌舞伎』の昼の部『傾城反魂香(けいせいはんごうこう)』で、猿之助さんの代役を務めている中村壱太郎(かずたろう)です」と話すのは、長年、猿之助の舞台を観てきた歌舞伎ファンだ。

 

 壱太郎は、1990年生まれの32歳。四代目中村鴈治郎の長男で、1995年に初代壱太郎を名乗り、初舞台を踏んだ。父方の祖父が、人間国宝だった故・四代目坂田藤十郎さん、祖母は参議院議長も務めた女優の故・扇千景さんという家系だ。

 

「関西歌舞伎は壱太郎のいる『成駒家』と、片岡仁左衛門のいる『松嶋屋』の2つが名門といわれていて、壱太郎は女形を演じる若手の中では実力派です。伝統がある歌舞伎の演目にも出演していますが、新しい歌舞伎にも挑戦しています。コロナ禍の2020年ころから、二代目尾上右近と『ART歌舞伎』という、オンラインで上演する映像作品を作り上げています。『ART』というだけあって、歌舞伎とはひと味もふた味も違う作品。彼は非常に勉強熱心で、頭の回転も早く、話もとても上手なんです」(同前)

 

 そんな壱太郎は『傾城反魂香』では、市川中車が演じる主人公の又平の妻、おとくを演じている。

 

「又平は生まれつきの吃音のため、うまく話ができないんです。そんな旦那さんの代わりにぺらぺらと喋る口達者な役なので、せりふも多く、たいへんです。それでも、不安定な感じがまったくなく、安心して観ていられました。

 

 2017年の『新春浅草歌舞伎』で、壱太郎が出演した同じ演目の『傾城反魂香』を観たことがあります。当時と比較すると、成熟した感じを受けましたし、芝居がうまい中車に、まったく引けを取らないぐらい、存在感がありました。2人のかけ合いは、本当にびっくりするぐらい上手で、代役という感じはまったく受けなかったですね。きっと多くの観客の方が満足されたのではないかと思います。10代のころは、“江戸のギャル”のようでしたが(笑)、美しい大人の女性に演技も成長したなと思います」(同前)

 

 壱太郎には、松竹からも大きな期待がかかっているのでは、とこのファンは話す。

 

「團子が猿之助の代役を務めた『不死鳥よ 波濤を越えて』でも、相手役の壱太郎がしっかりした芝居で團子を支えていました。壱太郎は、猿之助から認められた若手という位置づけで、松竹からも頼りにされていると思うので、新しいアイデアを生かした演目を作っていくのではないかと楽しみにしています」

 

 猿之助の起こした事件は、はからずも、若手に注目を集めることにもなったようだ。

( SmartFLASH )

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